プロローグ 

『わたしは頭から爪先まで迷いに満ちている。迷いは古いが、それだからとて、決して英知に変わりはしない。
水はどんなに古く腐ったところで、決して酒になるはずがないのだからな。』(光りあるうちに光の中を歩め・・・トルストイ)


渡辺さんは偉大な人だ。辛酸をなめつくしてなを嵐の中を突き進む強き魂。ロマネコンティの風格とスピリタスの激しさ。

そして時には神田のやかん酒のような親しみに満ち溢れた最高の笑顔。身近に接してもらえる自分の身の幸せを感じる。

俺は【赤色102号】

というバンドをやっているのだが、よく渡辺さんに一喝される。
「お前が40分かかってやってる事なんて俺なら3秒でやれるぞ!」
などと言われる。それでも俺は進み続けた。迷いに満ち溢れて。しかし今、この胸には一点の迷いもない。

来る4月22日のHEAVEN'S DOORでの【赤色102号】のライブがそれを証明する事になる。

人は長く生きる事に意味があるのではなく、いかに生きたかが問題だ。

俺は渡辺さんから学び続け、真っ直ぐに進む。俺も酒になりたい。

2002/4/17


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