その二合目・・・石虎将軍

【石虎将軍とはえらい昔の中国の将軍で、ある日、森の中で自分のおやじを食った虎を見つけたと思って復讐の一念で矢を放ったのだが、それは虎ではなく石だった。
命中した矢は矢尻まで突き刺さっていた。そんで将軍は驚いてその後もその石を射ってみたけど二度と突き刺さらなかった。

一念を込めてすれば、そんな事でもできるというたとえ】


バンドやってる奴でプロレス好きって結構多いけどなんでだろうな。あと野球チームなんてのも作って一所懸命やってる奴等もいるな。あれは健康の為ってこともあるんだろうか。元ジャンキーとかの人間も多いからな。だけど、なんかバンドマンが野球やってるってださいな。あ、おれも『fujiyama野球チーム』に所属してた!おまけにプロレスラーになりたいなんて子供のころまじで考えてたな。

俺はなんてださい奴だ。

それにしてもだ、殺害の社長はなんてクレバーでしたたかな人なんだと思った事がある。fujiyama対殺害の野球の試合のときのことだ。俺の打席の時、社長が投げるボールの凄いのったらなんの、超危険球。俺の頭にビュンビュンおもいっきり投げてくる。

この人はまともな球が投げられないんだと思った4球目からは連続ストライク。俺はもう腰がひけてて三振。完敗。
ワタナベさんはこの光景をニコニコしながら見ていた。

社長は凄い人だ。あのメイクは伊達じゃなかった。

話しはまったく変わるのだが偉大なるワタナベさんが作る映画がまた凄い!ナメクジが主役なんだぜ!ナメクジが!ナメクジ物語なんて、そんな発想どうしてできるのか。
多分あれを作った時、ワタナベさんの頭の中には笑顔のナメクジや憤激のナメクジ、恍惚ナメクジ、失恋ナメクジ、隠居ナメクジとかいろんなナメクジが蠢いていたんだろう。

ワタナベさんは偉大なるナメクジになっていたに違いない。それでその映画のなかで俺がもっともガツンとヤラレタところは、奇麗な水で満たされた洗面器にくすんで錆た黄土色の液体をぽたぽたと落としていくシーンだ。

洗面器に満たされた汚れのない水は波紋を立てて次第に侵されていく。落ちていく液体は次第に量を増し最後はドバーっと落ちる。

奇麗な水はあとかたもない。

これを見た時、俺は一瞬にしてバットになり吐き気をもよおした。

死にそうになった。

映画を見てあんな経験をしたのは初めてだ。あんなパワーのあるモノを創れてしまうワタナベさんの集中力、思い、『一念』とは、いったい何者なんだワタナベさんは。どんな修羅場を潜り抜けてきたのか。生まれながらにして持った才能なのか。

ここに一冊の本がある。[STREET FASHION]という本の中に1969年のワタナベさんの姿が載っている。

仲間たちと写っているその写真は一人タバコをくわえ威風堂々として遠い先を見ぬいている。この頃からも今の偉大さの片鱗が伺えるがまだナメクジ物語は創れそうにない。

やっぱりその後の経験と努力によるのだろう。俺も経験と努力で自分を鍛え上げ、ワタナベさんの『一念』のように力強い『一念』を持ち人の心を射たい。

2002/5/16


コラムindex#2を見る