「怪は快」

昔はホラー映画の、あの虚しさが好きだったけど、すっかりホラーはスプラッターと同義語になってしまい、つまらなくなった。特撮もSF映画も、ちっとも空想的でも未来的でもなくなったので、やっぱり見なくなってしまった。

でも、不思議な感覚にはいつだってなりたいから、そういったものはいつだって探している。

ここ数年面白がっているのは、稲川淳二。ちょっと流行した「新耳袋」も悪くないが、稲川淳二のおもしろさにはかなわない。本、DVD、ライブ、なんでもおもしろい。

稲川淳二は、実際に話している時、ノってくると、何を言っているのか、初見の人にはわからないことが多い。そこがおもしろい。怖い話も怪異談の内容ももちろんいいのだが、稲川淳二自体が十分におかしいのである。

もう稲川淳二の本はほとんど読んだ。
同じ話がだぶってきてしまうが、とりあえず新作が出れば、いちおうチェックする。
DVDもCDも出ればチェックする。
まあなかなか行けないがライブも時間があえば行きたい。

こうなってくると、なんだかお気に入りの音楽アーティストへの対応と、あまりかわらない。

お気に入りの怖い話は、まあお気に入りの曲、のようなものだ。
だから本やDVDを出すたびに同じ話が入っていても、完全に一致しているわけではないから、また楽しんでしまうのである。

以前のお気に入りは「死の旅館」と「赤い日記帳」だったが、最近は森末慎二が稲川淳二に話したという「いっちゃだめ」かな。話を思い出すだけで怖いっす。

で、先日パソコンをつけたまま、買ってきた稲川淳二のDVDを見ていた。富士の樹海の怪異談(これがまた怖い!)のところで、パソコンの画面に急に縦縞が入った。それはもう強烈に。なーんにもしていないのに。で、その縦縞は何度リセットしても消えない。もうBIOSの画面から縦縞入っている。しょうがないからグラフィックカード買いかえました。心霊現象かどうかは不明ですが、おもしろいので、そーゆーこと、にしています。

JOJO広重 2002.9.5.

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