『オレは心配などしない』

腰が痛い人が多い。それはある程度年令を経てきた人や、仕事上から痛くなる人もあるだろう。重いものを運ぶ仕事をする人が腰が痛いのは当然のようだが、だからといって、重いものを運ぶ人全員が腰痛持ちかというと、そうでもない。まるで大丈夫な人もいるのである。

人世とは不思議なもので、人間の体の箇所はその人のライフスタイルと連動している。だから腰が痛いというのは、フィジカルなことだが、腰という部分は人間の上と下をつなぐ蝶番である。だからその人のライフスタイルで、上司とか親とか先生とか、上の人間との関係がうまくいっていない場合、腰痛を併発することが多いらしい。

指や手の形もそうで、仕事をする人の手と、仕事をしない人の手は全然違う。金持ちの人の手は水がはいったようにぶよぶよだし、働かない人の指は細長くて美しい。

首が太い人はなんでも飲み込むから、人とのつきあいの中でも相手の気持ちや動きを飲み込むことができるけれど、細い人はどうしても飲み込めないから、どうしても飲み込めない関係が生まれてくる。

体型も病気も運も、自分で変えることができるし、決まった将来などどこにもないのだ。ただその原因や遠因を知っていれば、早めに気が付くことができるし、対応もできる。そのようなものなので、たいへんに考えることはないが、考えないのも考えものであるように思うがどうだろうか。

フジヤマの渡辺さんのように、始終病気していて運も悪くてろくなことがない人はなにが悪いのかというと、それはお前が悪いのである。それをわかっててそうしているんだから、同情することもなければ心配する必要もない、そう思うようにしている。

ただ、この感覚は女性にはわからないようで、東北のくみちゃんから『フジヤマが開いていないみたい。渡辺さん大丈夫かな』と電話がかかってくるたびに、『オレは心配などしない!フジヤマはそのうちに開くわい!』と声を荒げるのである。

JOJO広重 2002.10.9.


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