第38回 
人生録画ビデオ


中学の卒業の時、演劇部の顧問だった畝目先生から『人生即演劇』という言葉をもらった。

いろいろと深い言葉で、その時、その後、その十数年後、それぞれに違う意味や趣がこの言葉から読みとれるため、良い言葉をいただいたなあと思っている。

今回はそれに関係のあるような、ないようなお話。


人間は死ぬ瞬間に、その人のそれまでの人生を一瞬で回想するという。

ということは、生まれてから死ぬまで、その人の人生は、神様にビデオカメラで録画されているようなものではないのか。

だとしたら、死ぬ間際ではなく、まあ1年や半年に1回のペースで、それまでの自分がなにを言い、何をしてきたかをビデオでかいつまんで見せてくれればいいのに、と思う。

そうすれば自分のやってきたことに赤面し、その後はずっとマシな生き方をするのではないか。

もしくは、深刻に悩んでいたことが、実は笑い話であったことにあっさり気がつくのではないだろうか。

すくなくとも犯罪は減るだろうし、病人も減ると思う。

ドラえもんがいれば、このような「人生録画ビデオ」をおなかのポケットから出してくれるのかなあ、と、夢想する。

JOJO広重 2003.4.24.


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