live memoly #5    BLOODY VALENTINE」

1985年2月。新宿のツバキハウスで異様なライブが行われた。ポジパン(ポジティヴ・パンク)という、今でいうと死語になった音楽ジャンルの国内総決算のようなイヴェントだった。

出演はオートモッド、ソドム、G-シュッミット、ニウバイル、そしてサデイサッズの5バンドで、当時の国内インディーシーンの先鋭レーベル「ヴェクセルヴァルク」のショウケース的イヴェント。

私はノイバウテンやホワイトハウスを洗練させたようなサディサッズが大好きで、店でも随分シングル盤を押し売りしてた。ちょうどこのイヴェントでサディサッズの2枚組LP発売という事になり、宮部さん(ヴェクセルヴァルク主宰)に頼まれて即売係をやる事になる。本当は単なる客としてステージを見てみたかったので、アルバイトの女性陣にも手伝ってもらった。フジヤマにもアルバイトの女性が2人もいた、いい時代だったんだな、これが。彼女達からヴァレンタインだからと、チョコを貰ったり、馴染みの客にも囲まれていて、いい雰囲気(写真)。

しかし、サディサッズは高坂君(VO)が手を切ってしまい、なんだか血だらけのステージ。ステージで血だらけになる場面は何回も経験してきたけど、サディサッズの空気にハマっていて、まるで演出したような事故だった。カニバニズムに興味があるといっていた高坂君に血はよく似合っていた。

text 渡辺正 (2001/9/3)


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