カラス
いつものように、こまだむは公園へいく。
公園には色んな生き物が居る。いや、来る。カラスもよく来る。
ふと思う。
なんであんなに大きな鳥が普通に、こんなとこに居るんだろう?と。
私は特別田舎でも、特別都会でもない所謂住宅地で育った。
だから普段、野放しの大きな動物はそれほど普通に目にはしない。
そういえば、子供の頃はカラスとかさえ、あんまり見なかった気がする。
今住んでるいる所も、まぁ都内からしたら田舎だけど農村地帯ではない。
だからやはり、それほど大きな野放しの生き物は目にしない。
だからたまに、もうちょっと、うちから奥に入って行って、田んぼにサギなんかいようもんなら「!?なんだあれ???」と珍しくてじ〜〜っと見てしまう。
で思うのだ、「でかいなぁ・・・・」と。
北海道に行ったとき、偶然道路脇にいるツルを見た。
そこでも、私は綺麗というより異様に見えた。
でかい・・・。そして奇妙だと感じた。
この辺で鳥といえば、インコ。スズメ。ハト、たまにツバメ。最近よく見る、尾長。ホオジロ・・・など。割と小さいのを想像する。
その他、その辺にいる動物って言えば猫か、ねずみくらいじゃない?
あぁ、コウモリが夕方と朝方には、いっぱいいる。
で、カラスは、その中では異質だと思いませんか?なんたって、でかい。
そして、その大きさに私は違和感を感じるのだ。
なんでこんなに大きいんだろう?いや大きいくせに居るんだろう、と。
そりゃぁ、山の中にはクマとかシカとかいるんだろうけど、住宅地には大きな野生の動物って居ないでしょ?野良犬だって最近見ないじゃん。
昔は、なんかいたのかな?あ、狸とか、きつねとか?
もっと人間の居る場所と、動物のいる場所の区別が曖昧だっただろうから居たんじゃないのかなぁとは、まぁ想像するんだけど。
だけど今は、人間の匂いが感じられる中で、野放しの大きな生き物が居ることが凄く不自然な感じがするのだ。
それだけ、人間の住処と動物の住処の区別がはっきりしてるんだろうなぁ。
だけど、言い換えれば、それが今の自然な姿なんじゃないのかね?
まえから思っていたんだけどさ、自然って保護した時点から、不自然になんないの?
人間が保護という手を加えた自然は不自然ではないのかなぁ?
自然に発生するから自然っていうんじゃないの?
だからさぁ、自然っていうのは、その場、その人それぞれ違うんじゃないかなぁ。
俺の自然、ここの自然みたいな・・・。
都会で育った人なら、子供の頃からビルがある。
その人にとっては、それが自然なんじゃないのかなぁ?
動物がいっぱいいて、緑が生い茂ってるのが自然なのか?
それは、自然じゃないだろう。山じゃん、ただの。
ち・・違うの?
私は今まで、ず〜〜っと山の中で育った訳じゃないから、いきなり自分ちの周りが山だらけになったら落ち付かないけど・・・。
そう思うとね、今は人間のいる場所に野放しの大きな動物がいないことの方が、はるかに自然な気がするんだよなぁ。
だけど、居るんだよね、カラスが。
大きな野放しの生き物が。
だから私はなんだか、異様な感じがしたのね。
本来居るはずのない、大きな野放しの生き物。
なんかさ、普段目にしていても、奇妙に感じることって、ほんとは結構あるはずじゃない。
だけど、その奇妙さ、さえも当たり前になってしまったら、何も感じなくなるんじゃないかねぇ。
カラスが身近に居ることは、やっぱり奇妙だよ。
だけど、待てよ?
今はそれが自然だと言えばそうなんだよなぁ・・・
なんか訳わかんなくなってきたぞ・・・・自然ってなんだよ?
2001/9/5 |