photo by 渡辺正
その三.
「Angels With Dirty Faces」

ない、ない、ない、な、な、
ない!ない、ない、ない、
なんにもない、なんにもない、なッ!!

きょにゅう
せんもんてん
てんいんはたしかにいった。
「アイかっぷ ですよ、 
サービスまんてん。にんきのこ です」
わくわくして
ドアをノックしてとびらを
あけた
ところが。
とど が。

そこには
ばすと・うえすと・ひっぷ いち
めーとる の とど
が。しみーず一枚でよこたわっていた。

「まりも、  っていいます。」
名は体をあらわすとは
このことか?
たしかに みまごうことなき
ざ・まりも だ。

まりも は無口。
こっちをうつろにながめたっきり
ひとことも。

日章旗くらいの
ぱんつをめんどくさそうにぬいだら
ささえていた肉が堰をきったようにながれだし
あたりは肉びたしになってしまった。

わたしはいをけっして
その肉塊によじのぼる
baby
とほうにくれてるのさ
そううたっていたのは
スライダーズ
いいことばかりはありゃしねえ
そうささやいていたのは
キヨシロー

おかっぱ頭のまりもちゃん
くちのちょっとくさいまりもちゃん
おもいだした!
バクネヤングにでてくる
蓮華さまのこぶんにそっくりだ。
犬の目で
肉の海でのたうつぼくをみながら
いまのきみはなにをかんがえているの?
いまのきみはなにをかんがえているの?
その時

「いたい!」
「え?」
「いたい!いたい!」 
「あ」
「いたい!いたいったらいたい!!」
「ごめん」
なにをあやまっているんだ、おれ。

「いたい!いたい!いたーーーーーーい!!」
「あの」
「いたい!いたい!いたい!いたい!いたい!
いたい!いたい!いたい!いたい!いたい!
いたい!いたい!いたい!いたい!いたい!いたい!
裂けるッ!裂けるッ!裂けるッ!」
「いや、おれ、なにも」
「いたい!いたい!いたい!
いたい!いたい!いたい!いたい!
いたい!いたい!いたい!いたい!
ふえええんふえええんふえふえふえええん
えふえふえふえふあふうあふうあふうあふう
ひっくひっくひっくひっくひっくひっくひっく
ひっくひっくひっくひっくひっくひっく
あひゃいあひゃいあひゃい
え、え、え、え、え、え、え、え、
え、え、え、え、え、え、、、、、、」
せまいせまい
へやのなか。
まりもチャンはこのよでいちばん
かなしいこえでないた。
なにがいけなかったのだろう
なにがいけなかったのだろう
なにがいたかったのだろう
ぼくのなにがいたかったのだろう

まりもちゃんの
40ぷん1万2千円ぶんの
泣き声を耳元で聴きながら
ぼくは萎びたちんぽに涙目で訊いている。

ぼくのなにがいけなかったのだろう?

baby
途方に暮れてるのさ

2001/4/22

鮫肌文殊
samehada@dream.big.or.jp

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