第143回
”ヤバイっす、ていうか?” の巻


最近語彙の減少が著しいです。
理由はパソコンで原稿を書いてしまえるからです。

ほんの10年前、原稿用紙に鉛筆で書いていた頃は、判らない単語や言い回しが出て来たら、その都度「辞書」で確認して書いていたのに、今はパソコン入力で間違えがあまり無く書けてしまいます。
その結果が、「マジっすか、ヤバイっす」 に代表される圧倒的な語彙不足。
人との会話が無くなるぶんだけ、メールで済ませてしまう。

渡辺さんと最後に話した時はいつだったんだろう?
でもメールで一方通行の連絡だけはしている。
こんな状況で良いのだろうか?
人のことを思いやる気持ちが希薄になっているように思う。
いつでも、気がむいた時に 「相手のことは考えずに」 連絡したつもりになっている。
以前ならば、フジヤマが営業していそうな時間に電話をして直接色々お願いしていたし、声を聞いて相手のことを思いやる気持ちがあった。
そういった行為が、全くなくなっている。
だから、語彙の減少があっても、意識せずにいられる。

よく、ガーゼのメンバーとは話をする度に出て来るんだけど、「うちのバンドは、携帯電話と無縁なんだよ」 って言われる。
当時(5年ぐらい前)は、私も携帯電話を保有していなかったから 「いっしょ、いっしょ」 って言って笑っていたのだが、価格破壊によって昨年から持っている。
「まあ、月に980円ならばいいか?」なんていう受身な使い方。

だけど、携帯電話を持つことによって時間にルーズになっている。
いい訳の電話を一本入れておけば、何とかなるような気がするからだ。
以前は、人に迷惑をかけないように 「場所と時間」 は事前に連絡を密にしていた。

持っていない時には、不自由が無かったのに、持つことによって不自由になっている。

自分から、不自由な方向に走り込んでいる。
当然ながら、携帯電話を「辞書」代わりにいろいろ使うことで、やっぱり語彙が減少していく。

同じように、本も読まなくなって来た。
以前も、それほど本を読むことはしなかったが、それでも自分で探して面白そうな本と出会うと嬉しかった。
今は、ランキング重視とかで、本屋さんに行っても探す気になれない。

レコード店に至っては、もはや探す気にさえならなくなっている。
中古盤を取り扱っているところでなければ、楽しみが無い。
フジヤマのような、雑多なレコード店が無くなっているのだ。
すこし前までは、それこそ訳の分からない音楽を置いていた店もランキング重視のおかげで、面白そうなものが無くなっている。
そういった店に行く時は、叩き売りコーナーしか見ない。
叩き売りコーナーは、雑多で面白いから。
それも500円未満のものほど欲しい作品がある。
ということは、携帯電話を辞めれば月に2枚は余分に音楽を購入出来るのか。
いま気がついた、猛烈に反省だな、これは!

それにしても、語彙の減少は個人的に大問題!
英語に関しては、最近殆ど駄目な状況になっている。
何となく解っているつもり(雰囲気だけ)で、実際は全く理解出来ていない状況に陥っている。
以前ほど、貪欲に勉強していないからだろう。
BBCの放送がインターネットで聞くことが出来てしまうため、テープの時のように ひと月遅れで何回も何回も聞いていたのが、今はほぼ同時に聞けるから、安心しているような気がする。
このままでは、本当に引きこもりの無能な人間になっていくような気がする。

もっと、もっと、言葉を大切にして生活しなければ。
次は、ロックの話で。

2008/7/19

  これからのライブ予定(発表していい分だけ)

8月23日(土)川崎 クラブチッタ Set You Free
共:locofranck、SLANG、他

8月31日(日)名古屋 タイニー7
共:SLANG、NEW DAWN、九狼吽、STRONG STYLE