第153回
”やっぱり音楽だよね、ラジオは!” の巻


最近は、BBCのラジオをよく聞いています。
それも、好きな番組を一週間後まで聞けるので重宝しています。
そんな番組の中で BBC6 の番組をよく聞いちゃうんですが、ディスクジョッキーやっている人がマニアで凄いです。
なにが凄いかっていうと、イギリス人が日本のロックを語っちゃうんです。
Flower Travelin Band が当然のようにかかっちゃうんです。
会話の中で、フラワーズの人脈を語るんです。
日本のロックを語るうえに、へんてこな音楽をかけまくるので、おかしな調子になっちゃいます。
なんたって、1970年代初頭のイギリスのジャズロックバンドが、次から次へとかかったかと思うと突然、オヤジのへたくそなカラオケのようなものがかかったり、まったくもって制御不能なばかばかしさ。

最近の日本のラジオは、音楽をかけたと思うとミュージック・ナビゲーターという人が、すぐに話し出してイントロの格好いい曲を全く活かさずに喋りまくっているし、その内容も正直なところ楽しくない。
全部 ”チェックして下さい” だけだから、これでは音楽を聴かせないようにするための作戦としか思えないため正直閉口しているから、海外のラジオ放送は余計に楽しめちゃうんです。
それも、知っていても役に立ちそうにも無いようなめちゃくちゃ、マニアな話が多くて楽しいのです。

BBC1 の音楽番組だと、今流行っているものがいっぱい聴けるし BBC6 で去年は 2TONE リバイバルの特集をやっていたし今年になってからは、グリッター・ロック特集が面白かった。
それも連続もので、当事者のインタビューを交えて特集してくれるので嬉 しい限り。
最近のイギリスものの音楽はどうも聴く気がしない人にも是非聴いて欲しい。
本当は、凄く多くの面白い音楽があるのに、全く紹介されないことがよく判るから。
相変わらず、へんてこな音楽がいっぱいあるんですね、日本じゃあ夏にならないとかからないレゲエだって、普通にかかっています。
懐メロのパンクもあれば、もちろんSTATUS QUOだって。
新譜は、NME で新人バンドとして小さく載っているようなバンドがしっかり聴くことが出来るので、Myspace で下手に聴くよりバンドの扱われ方や雰囲気が何となく分かり、いいです。

個人的に、最近は音楽を確認する手段として、よく Myspace で済ましているが、やっぱりライブを観て知ったバンドの方が何倍も愛着があるし、自分で音源を探して出会ったバンドは数年後まで愛着があります。
最近では、2月に来日した KYLESA がそんなバンドでした。
偶然、セカンドアルバムを購入したら、来日公演があって観に行ったら、アルバムにない迫力を感じることができて ”このバンドを知っていて良かった!” とつくづく思いました。
なにしろ、爆音でパンチドランカー状態になるのは本当に気持ち良い。
何度 Myspace で聴いたところで、ライブの時のあのぶっきらぼうな風貌は見えて来ないし You Tube 等で映像を見たって、伝わって来ない空気がライブを観れば一発で伝わってきます。
昨年のライブでよかったバンドは、全部空気がよかったバンドばかりです。

レコード会社の人や、ラジオ局の人が、Myspace でしか音楽を聴かないようでは、はっきりいってダメです。
現場でなにが起こっているのか「観て、聴いて、知って」初めてスタート出来るんです。
そんな、当たり前のことをせずに、机の前に座って「知ったつもり」では世の中で起こっていることを無視しているにしか過ぎません。
「Myspaceで発掘したバンドに凄いのがいる」 なんて、言っているようじゃあ恥ずかしいと思います。
正直、発掘していないんだから!
足腰が重くなったら、終わりです。

なにしろ、BBCのラジオ番組が面白いのは
「足腰が軽くて、興味が尽きない」ところにあるんです。

2009/3/3