第199回
2013年、良かったアルバム” の巻


2013年は、年初から良いアルバムに沢山出会えた。
海外の作品から、入手したものをリストアップしてみよう。



◆Touche Amore / Is Survived By(Deathwish)

もうこのカルフォルニアの5人組バンドには、やられっぱなしです。
年明け早々、来日公演を体験してから熱病にうなされたように、毎日のように過去の作品を聴いていました。
そして、初秋に出た待望のアルバムが、この作品です。
Dead Kennedys時のJello BiafraみたいなシャープなヴォーカルのJeremy Bolmは、ハードコア・パンクロックの持つ熱とエモの持つ熱が、上手く混ざっています。
このバンドは、Mission Of BurmaとArticles Of Faithが現在に蘇ったようなかのような、そんな感じです。



◆Drenge / Drenge (Infectious)

White StripesやThe Killsと同じく、ギターとドラムの二人(兄弟)組。
イギリスのバンドです。
音は The Stooges の Ron Sheton のような凶暴きわまりないギターの音と、初期の Siouxsie & The Banshees のドラマーKenny Morris を思い出すようなひたすら暴力的な響きを持つドラムに、グラムロック的な粘着質なヴォーカルが加わる、不思議なポップさが特徴。



◆Thee Oh Sees / Floating Coffin (Castleface)

カルフォルニアのガレージ・パンクバンドです。
2月に来日したけど観に行かなかったので、後から悔やんでいます。
YO LA TENGOほどぶっ飛んでいなくて、適度なポップさがちょうどいい感じ。



◆Parquet Courts / Light Up Gold (What's Your Rapture)

今年は、このアルバムに出会い一年が始まりました。
テキサスからニューヨークに出て来たメンバーを含む4人組が作り出した、The Dils 〜 Rank & Fileを連想させる、最高のパンクロック・アルバムです。
ライブも、熱血ではなくちょっと冷めていて、今のニューヨークのバンドらしい感じ。



◆Fidlar / Fidlar (Mom & Pop Music)

TSOLの元メンバーの子供達が作った、現在のロスアンジェルスの4人組パンクロック・バンドは、China WhiteやThe RottersあたりのLAパンク直系。



◆California X / California X (Don Giovanni)

バンド名とジャケット写真にだまされた、マサチューセッツの3人組。
完全に、Dinosaur Jrです。
痛快なほど爆音のギター・ロック。
ライブは、もうちょっとはじけて欲しかったな。



◆Deafheaven / Sunbather (Deathwish)

カルフォルニアの4人組。
このバンドもライブを観に行かなかった事を後悔しています。
何しろ凄い。
メタルと言えばメタルだし、パンクと言えばパンクです。
ハードコアなパンクロックの進行形です。
Neurosis→Isis→Deafheavenといった感じです。
彼らを評価する時にEnvyを引き合いにだす事が多いけど、個人的には Envyの直系はTouche Amoreかな。
カオティックなところは、Convergeの『Jane Doe』を引き合いにしたほうが近いような気がする。
今年聴いた中で、一発で凄いと思ったのはこのアルバム。



◆Uncle Acid And The Deadbeats / Mind Control (Rise Above)

イギリスの4人組。
メチャクチャ、ハードロックです。
一体、今は1970年かと思うほど。
Uriah Heepの『Salisbury』とか、ライブもアンプの鳴りを活かした昔風のロックを体現。
そんな事をしながらも、レトロじゃないところが、このバンドの凄いところ。



◆Savages / Savages (Matador)

Mo-Dettes(1Stシングルの頃)、Au Pairs、Siouxsie & The Banshees(初期)を連想させる、イギリスの4人組。
全員女性です。
神経質なノイズ・ギターと神経質なヴォーカルが絡むところは、Post Punkのいいとこ取り。
Patti SmithでもDeborah Harryでも無く、Ian Curtisをついつい思い出させるヴォーカルスタイルが、イギリス的。



◆Hoy Lunch / Hot Lunch (Tee Pee)

もう、大バカなハードロック。
カルフォルニアの4人組は、完全に時代を無視しています。
2013年はハードロックが近寄ってくる一年でした。




海外の作品はこんなところ。

日本で、もっと話題になると面白いようなアルバムをいっぱい聴いていました。
それにしても、日本の洋楽は、お寒い状況ですね。
今や、いろいろなバンドのアジアツアーの日程に日本は入らなくなっています。
台湾や韓国まで来るのに。
これは、とてもヤバい!
こんなんだから、英語教育が上手くいくはず無いじゃん。
文化的な興味を持って、英語に親しむ環境をもっと作らないといけないんじゃないかなあ。


日本のバンドも良いのが多かったです。


●THE GUAYS / 砲撃
●九狼吽 / Human In Confusion
●Dance Beach / Solid,Blast….And Swing Emotions
●RAPPA / The Still Grey Future
●Extruders / Colors
●Framited / Defeat Of Civilization
●灰野敬二 / In The World


この辺りが、爆発的に売れてインディーチャートの上位になって欲しいな。
そうすれば、状況が変わるんだ。
Extrudersにビックリ!でした。


そうそう、チャートの上位に行った
●BRAHMAN / 超克
これも凄かった!


ということで、今年もよろしく!
次回で、200回!

2014/1/22

  原爆のライブ予定

2月22日(土)東京 高円寺HIGH
共振する魂たち〜Resona Spiritus
共:アレルギー

OPEN 19:00 / START 19:30
前売 ¥3,300 (+ドリンク代¥500) / 当日 ¥3,800 (+ドリンク代¥500)
チケット取扱 : HIGH店頭 / イープラス
高円寺HIGH (03-5378-0382