第204回
新しいの聴いている? の巻



音楽仲間の挨拶は”最近、何を聴いている?”です。
これは、ずーっと昔から変わらない挨拶です。


音楽にまじめに接している人ならば、いつでも即答です。
ところが、最近、困っちゃうんですよ。
私、まじめに音楽に接している筈なんですけど、即答できないんです。
頭の中に、すぐに浮かんでこない。
認知症になったかのかと思うくらい。
会話を始めて、10分くらい経つと、突然思い浮かんでくるんですね。
いろいろなものが。
でも、時既に遅しで、もうとっくに話が変わっちゃっている。
いやあ、困ったもんです。


そこで、ここのエッセイを使って、"こんなのを聴いています"と伝えることにしよう。
ほんと、健忘症とかになっているのかなあ?


まず、今年になってから初めて知ったバンド。
PROTOMARTYRの『Under Color Of Official Right』っていう作品。
出身はアメリカ、それもデトロイトのバンド。
ここまで書くと、”おっ!”って興味を持つ人もいると思うんですが、MC5でもなければ、The Stoogesでもありません。
このアルバムを聴く限り、POST PUNKです。

分かりやすくいうと、初期のJoy DivisionやThe Cureみたいです。

もっとも、新しい感覚があるから聴いていて”ぐっ!”ってくる訳です。
最近のバンドでは、Parquet Courtsが近いかな。
特に、簡潔なギターのササクレだった音は、パンクそのもの。
とはいうものの、このバンドを好きになった曲「Come & See」は、B Movieのような情緒的な曲なんで、ニュー・ロマンティック直前のイギリスのバンドのような肌触りもあります。
「Scum,Rise!」という曲なんかは、イギリスのSAVAGESみたいです。
Red Rhinoとか初期Factory辺りのレーベルが好きな人は、気に入るんじゃないかな。
風貌は、いかにも田舎の労働者っていう感じなので、ルックスは期待しないで下さい。


で、海外のバンドばかり聴いているかとそうでもないので無い訳で、日本にも良いバンドが多いです。


昨年、良かったアルバムにあげたEXTRUDERSの『Colors』は相変わらず聴いています。

ライブを観たら、その佇まいを含め想像以上に素敵で、より好きになっています。

媒体であまり取り上げられないので知らない人が多いかもしれないですが、このバンドはより多くの人に聴いてもらいたいです。
全く知らない人が多いと思うので、少しだけ情報を。

2003年結成、横浜出身の3人組。
この作品は、セカンドアルバム。
ざっくりイメージしてもらうには、WIREの『Chairs Mising』、『154』のシンプルな響きが、Codeineや最近のEarthの乾いた感性で表現されているかのようだ。
ライブを観てもらえば一番良いのだが、頻繁に活動するタイプでもなさそうなので、先ずは音源を聴いてもらうしかないだろう。

Galaxie 500が好きな人も、一発で気に入ると思う。

日本語で歌っているので、すんなり聴くことが出来ます。
Bloodthirsty Butchersやlostageのファンにも聴いてほしいな。


そして、最後は北海道のバンド、Discotortion。
元Coepersのメンバーがやっています。
『バクヨウ』っていうタイトルですが、漢字表現だとケモノへんに暴って書いてバクと読むらしい字に妖怪の妖です。

1曲目の冒頭で”Jeff Beckか?”って思っていたら、凶暴な様相が次第に明らかになっていきます。
これは、Butthole Surfersの『Hairway To Steven』みたい。
ここで、もう顔が緩んでしまいます。
何しろ、爆音で聴かないと勿体ないような内容。

次々と鋼鉄で平手打ちを食らうような本来の意味での”Heavy Metal”な音。

前作のセカンド・アルバム『空谷ノ歪音』でみせた、ノイズ感覚満載の爆裂弾を空中から投下するような破裂感覚は更に進歩している。
今回は、情緒性あふれる音楽なのに、どうしようもなく暴虐だ。
Drive Like JehuやAt The Drive-Inといったところをすぐに思い起こす音だけど、もっと先に行っていて、UnsaneとFugaziをConvergeで掛け合わせたかのようだ。
メタルの記事でよく見る”鋼(はがね)”っていう字は、この音にこそふさわしい。
来年の1月17日に、名古屋でCopass Grindersと共に一緒にやるので楽しみだ。


日本のメジャーなフィールドに情報が行き届かないバンドにこそ、もっと注意していないといけないなあと、考える今日この頃です。

2014/6/5
   

・・・・・・・・原爆のライブ予定・・・・・・・・ 

6月28日(土)名古屋 Club Quattro
Nagoya Club Quattro 25th Anniversary
共:locofrank
OPEN 17:30 / START 18:30
前売り¥3,000(+ドリンク代)

            ◆

7月6日(日)名古屋 今池 Huck Finn
七夕の夜
共:SHI、RAPES、DEMOLITION、九狼吽
OPEN 17:30 / START 18:00
前売 \2,300 (+ドリンク代\500) / 当日 \2,800 (+ドリンク代\500)



            ◆

7月20日(日)東京
 新宿 Anti Knock
PUNK ADDICT! vol.75
共:HAZARD
FUGU&JAM
EIEFITS
THE TRASH
ゲンドウミサイル
EXTINCT GOVERNMENT
DJ SEN&SO

Open17:00 / Start17:30
前売り¥1,900 / 当日¥2,400(+1drink)