第211回
2014年よく聴いたものは の巻


年末がやって来た。
で、毎年と同じように今年手に入れた新譜で良かったアルバムを選んでみよう。

と、気軽に書き出したのだが、手に入れたアルバムを見ていると、あんまりぱっとしない。
昨年のDEAFHEAVEN『SUNBATHER』みたいに、このアルバムを聴かないと”ダメ”っていうような作品を手に入れていない。
あと5年経って聴いているようなアルバムと出会うことが少なかった。


個人的に、一番は…

PROTOMARTYR Under Color Of Official Right
(Hardly Art:HAR-081)

1980年代のイギリスのB級バンドのようなぶっきらぼうな音が気に入り、このアルバムはよく聴いた。
個人的なイメージではThe MekonsがRed Rhinoから出したセカンドアルバム『The Mekons』の荒涼とした雰囲気と同じものを感じ取った。
デトロイトの4人組がリリースした、このセカンドアルバムは、The Stoogesのファースト・アルバムやThe Fallを彷彿させる詩的なところが魅力。
衝撃度は、昨年Savagesの『Silence Yourself』で受けたものと同じレベル。
懐古的な意味ではなく、躍動的な意味での”Post-Punk”に満ちあふれている。
日本で全く話題になっていないけど、昔の音源の再発に喜んでいる暇があるんだったら、こういった作品を前向きにドンドン聴いていくべきだと思うよ。
インターネットで「Scum,Rise!」や「Come & See」といった曲がアップされているから、聴いてもらえるとこのバンドの魅力が伝わると思う。
とくに「Come & See」は10年後にMartha & The Muffinsの「Echo Beach」と同じように聴いていることになるかもしれない名曲だ。



2番は…

EAGULLS EAGULLS LP
(Partisan:PTKF2109)

イギリスはリーズ出身の5人組のデビューアルバム。
The AdvertsとSubway Sectを掛け合わせたような、ぶっちぎりのパンク・バンドです。
余分な装飾は無く、シンプルこの上ない音はリーズのバンドといえば誰もが思い出すGang Of Four、The Mekons、Delta5の初期シングル盤と同じ。
ギターの音の歪み具合が、本当に初期のSubway SectやThe Velvet Undergroundを想起させる。
なんて言ったらいいのか分からないのだが、ねじれて、落ち込んでいく感覚。
そうドロドロな感じが、未整理な状態で出て来ていて、"CHAOS"というよりも日本語で”混沌”と表した方がピッタリな凶暴さがある。
アメリカ西海岸のバンドが持つ”カラッ”とした暴力性ではなく、湿り気があるところが特徴。



3番は…

NOTHING Guilty Of Everything
(
Relapse:RR7247)
Deafheaven繋がりで知った、アメリカはフィラデルフィアのバンドのデビューアルバム。
リリース元がグラインド・コアでお馴染みのリラプスなので凶暴な音を想像していたら、My Bloody ValentineやLushみたいなシューゲイザーでした。
何しろ心地良いです。
ブックレットは手の込み入った丁寧な仕上げとなっている。
イギリスのシューゲイザーと異なり、乾いた感覚があるのが特徴。
borisが切り拓いた世界を継承している。


他には…

Parquet CourtsSunbathing Animal
(What's Your Rupture?/Mom & Pop:WYR?0514)

WOODS
With Light With Love
(Woodsist:WOODSIST072)

Avi Buffalo
At Best Cuckold
(Sub Pop:SP1047)


まあ、こんなところかな。


今年、私が手に入れようと努力したのは、1990年代後半から2007年頃までの作品。
日本ではあまり話題にならないが、海外で”モダン・クラッシック”と云われるジャンルだ。
グランジやパンク・リバイバルがピークを過ぎた後、ブリット・ポップの終わった時期のものだ。

何となく、自分の横を通り過ぎていった音楽って云うのがいっぱいあって、聴くタイミングを逸したものを聴いていた。
まだまだ、知らないバンドがいっぱいあるので、新しい発見が多いのでした。
懐メロを聴いて涙している暇はまだありません。

じゃあね。

2015/1/7

   

・・・・・・・原爆のライブ予定・・・・・・・
ライブの予定は、ものすごい勢いです!

1月10日(土)大阪 FANDANGO
パレード vol.2
共:オシリペンペンズ、B玉、KK manga
OPEN18:00/START18:30 
¥2,300/¥2,800    
TICKET-12/6(土)発売「ローソン[57290]/e+/FANDANGO」
(各バンド予約及び店頭予約もあり)
INFO-FANDANGO 06-6308-1621

1月17日(土)名古屋 HUCK FINN
TASTE PRESENTS! Live Aktion 3 「名古屋殺炎上!!」
共:COPASS GRINDERS、discotortion
OPEN18:00/START18:30 
\2,000/¥2,500(DRINK別)    

2月11日(祝:水)名古屋 Club Quattro
お年玉GIG 2015
共:envy、THE NOVEMBERS
開場 17:30 /開演 18:30
前売り 3500円(別途ドリンク代 500円)

2月21日(土)東京 EARTHDOM
EARTHDOM 9th anniversary 〜新大久保でぶっとばせ!〜
共:OLEDICKFOGGY、東京ホームランセンター
開場18:30 /開演 19:00
¥2,500/¥2,800(DRINK別)