第221回
ハードコア・ロックの巻

今でこそハードコアっていうと、そのあとに続くのは ”パンク” とか ”ラップ” という音楽にまつわるものがつながるのだが、1970年代後半ハードコアっていう言葉を聞くと、その言葉の後ろに必ずくっ付いてきた単語がある。

さあ、なんでしょう?

いろいろ思考を巡らせてください。
ハードコアの前によく付いていたのは、スウェーデンや北欧ですね。
今は、家具とかデザインもののイメージがあるし、福祉先進国家のイメージもあるけど、70年代後半はそのようなイメージよりも他のものが強かったんです。

その答えは ”ポルノ” です。

そう、ハードコアって言えば洋物のポルノ映画のことを指していたんですね。
だから、ハードコアの次に続く言葉はポルノと世の中の人は認識していたわけです。

で、そのような時代に ”ハードコア・パンク” という言葉が突然私の耳に入ってきたのです。

おそらく

UK Subs
The Ruts
Stiff Little Fingers

といったバンドのファンの名称だったような気がします。

その言葉の使われ方は、ポストパンクが主流だった1979年に1977年タイプのパンクを好む ”頑固なパンク” っていう皮肉的な意味合いだったと思います。

少しだけ時間が経つと、Cockney Rejects が登場して ”新しいパンク世代=New Punk” と自らの立場を明確にしました。

そして、ほぼ時を同じくして Discharge がシングルを出して ”頑固なパンク”=”ハードコア・パンク” の図式が形成されていったように記憶しています。

自分自身が、自嘲的に ”ハードコアだからね” と言ったのは、1980年だったと記憶しています。

まあ、この時は ”まだパンクが好きな” って云う感じで使っていたものです。
でも、その言葉を受け止めた方は ”えっ、ポルノ好きなの?” って受け止めて困惑していたのを今でもはっきり覚えているくらいです。

こちらの意図する意味合いで受け止めてくれたのは、イギリスから帰ってきて AUTO MOD を始めようとしていたジュネが最初だった記憶もあります。
ジュネと二人で ”ハードコア”、”ハードコア” と連発した会話をしたものでした。

”ポルノ” ではなく ”音楽的” なハードコアが定着した現在、パンクだけじゃなくロックの中に使っても違和感があまりないような気がしています。

実は、今年の ”お年玉GIG 2016” は遂に 「HARD ROCK MATINEE」 を復活させるのですが、イメージ的に、「HARD CORE ROCK MATINEE」 のほうがピッタリな面子になってしまいました。

なんたって、硬くて・核芯のロックを体現しているバンドが集まるからだ。

本当は、もっと多くのバンドに呼びかけて、フェスティバルのようなものを行うことができるともっと面白いのだが、なんたってこの企画は ”GIG” なので、真昼間の ”マチネ” という強硬策で対応しようと考えたのだ。




集結するバンドは、the原爆オナニーズ に加え、ステージだけでなく客席でも傍若無人に暴れまわる日本のIGGY=大岩がいる ”SLIP HEAD BUTT” を筆頭に、ZZ TOP や Motorhead と同じく暴走車両そのものの轟音を掻き鳴らす ”BAREBONES”、まるでテッド・ニュージェントやラスティ・デイが居た頃の Cuctus みたいに、野獣のような荒っぽさをヘヴィーで硬いロックで撒き散らす ”NEPENTHES”、DOOM、STORNER ROCKの枠に収まりきらない柔軟な音楽性を進化させている ”ETERNAL ELYSIUM”、KYUSS が進化した Desert Sessions のような不思議な魅力を持っている OUTRAGE のベースの安井がやっている、”CROCODILE BAMBIE” と、最強にして極爆音圧な ”ハードコア” なバンドばかりになってしまった。

これだけ強烈なメンツだと、各バンド90分のセットを軽くやってしまいそうなので、事前にタイムテーブルを提示しておかないと何をやらかすか分からないので、この場を借りてタイムテーブルの告知をさせてもらおう。

場所は、名古屋クラブクアトロだ。

15:30開場

16:00〜16:35 SLIP HEAD BUTT
16:50〜17:25 CROCODILE BAMBIE
17:40〜18:15  NEPENTHES
18:30〜19:05  ETERNAL ELYSIUM
19:20〜19:55  BAREBONES 
20:10〜20:45 the原爆オナニーズ 

出演するバンドが、この短い時間の中で、どれだけ魅せることができるか競い合うことになる。
各35分の設定だけど、+5分の余裕は取ってある。

ソリッドで強靭なロックの音で、2016年の ”春節” を迎えようではないか。

”6弦の銃を持ったロックンロールの無法者たち” は今年も大暴れだ。

2016/1/26

 

 

 

・・・・・・・原爆のライブ予定・・・・・・・

原爆のライブ予定は凄いことになっています。
今年の”お年玉GIG”はついに、「ハードロック・マチネ」が復活です。
新幹線に乗れる時間に終演するので、東京や大阪の皆さんも暴れに来てください。


2月7日(日)名古屋 クラブクアトロ
お年玉GIG 2016:HARD ROCK MATINEE VOL.3
共:BAREBONES
ETERNAL ELYSIUM
NEPENTHES
Crocodile Bambie
SLIP HEAD BUTT
開場15:30 開演16:00
前売り3,000円、当日3,500円(D別)


2月20日(土)東京 新大久保 Earthdom
EARTHDOM 10th anniversary "RedDyed SP01"
共:ASSFORT、BAREBONES、SLIP HEAD BUT
開場18:30 開演 19:00
前売り2500円 /当日 2800円(入場時にドリンク代金500円が別途かかります)
【前売り発売】 ※ チケット発売日: 12月20日
EARTHDOM、NAT records、イープラス