第240回
”まったりパンクの話でも” の巻



初期パンク。
この表現嫌いだな、パンクのアルバムがCD化されると、どうしても買っちゃうんだよね。

多くのアルバムが再発されていて、ブックレットを読みたかったりボーナストラックやその一部を聴きたいために次々買い込んでいる。
同じようなCDが次々自宅の棚に入っていくわけだ。

パンク自体は、現時点まで続いているけど、どうしても最初に聞いたパンクを今でも熱狂的になって聴くことが多い。

私にとってパンクは1976年〜1978年までが興味の対象だ。
範囲を広げても、1980年までかな。
いわゆるポストパンクまでで、ハードコアは入ってこない。
ハアードコア以降は、個人的にはまた別のものの興味の対象だ。


この頑固なパンクファンにとって、昨年と今年はあまりに多くのBOXセットがリリースされたので、悲鳴をあげないといけないような月日が続いている。
オリジナルのアナログ盤を持っている場合が多いので、再発ものは基本的に別フォーマットのCDをメインに買っている。

で、ここでいろいろな問題が。
まず、BOXセットなんだけど、たまに初CD化が入っていて喜ばしいこともあるんだけど、聴いてみたいのはほとんどが ”BBC音源”や ”未発表のライブ”ばかり。
リマスターされた音源も、アナログで聴き馴染んだ音より ”キリッ”とした感じになっているものが多く ”ここまで変えなくても良いんじゃないの?”と思うことしきり。

もっとも、アナログ盤を毎日繰り返し聴いていた10代の頃はトレブルを上げて聴いていたから、
感覚的になんとなく不足していたところを補っているんだけど、それはまた別の話だ。

出来るだけオリジナルに近い雰囲気が欲しいと、ついつい思ってしまう。

特に、最近のCDは音圧が異常に高くて、本来聴いていたボリュームにすると、違和感を感じることしきり。

CD化が始まった1980年台後半、”CDの音は低音が大きくて、ボリュームを一つ下げるとレコード盤と同じになる”って思っていたのだが、最近はボリュームを2〜3下げるとレコード盤の音になるっていう感じだな。

シングル盤の曲が、ボーナストラックに入っているのは、中域がどうしても違うんだよね。
”ガツン”ってくる音域が抜けていて、心地よく聴くことができちゃう。

これでは、同じ曲が全く別物になっちゃう。

とは言っても、加齢により20代までの若者にはしっかり聞こえる音が、聞き取ることができなくなっているはずだから、CD化による恩恵を一番受けているとも思う次第。
痛し痒しだなあ。


それでは、どんなBOXセットがお気に入りか。

まずULTRAVOX!の4枚組『THE ISLAND YEARS』だ。
初期3枚のアルバムに、シングル曲とBBCセッションが1枚加わり、70年代パンクの変化がよくわかる。

なんたって、「Young Savage」のシングルと驚異的に速くて暴力的なBBCセッションを同時に聴くことができるだけで、幸せな気持ちだ。
以前にも書いた、THE RUTSの4枚組『The Virgin Years』も、1979年のロンドンパンク・ドキュメンタリー的で良い。
何度聴いても、「Live At The Marquee July 1979」は鳥肌モノ。

Alternative TVの4枚組『VIVA LA ROCK’N’ROLL』は、副題が”The Complete Deptford Fun City Recordings 1977-1980”というだけあって、一つのバンド(というより、マーク・ペリー:ファンジンSniffin’ Glueの創始者)がパンク〜ポストパンクに変遷していく過程がよくわかり面白い。

ファーストアルバムのパンキッシュなところは、衝動的で面白いのだが、すぐに、”もう一つの”パンク的側面である、実験的で自分たちのやりたい表現方法を探るあたりは、オルタナティブってバンド名が付いている通りだ。


今年最大の収穫は、THE LURKERSの5枚組『5 Albums』かな。

2枚のオリジナルアルバムはキャプテン・オイからCD化されているが、ボーナストラックが多すぎてオリジナルアルバムの雰囲気を楽しむことができなかったが、今回オリジナルアルバム(2枚)とボーナストラック(1枚)を別々のCDに分けてあることがポイント。
BBCセッション(1枚)も入っているし、Pete StrideとJohn Plainの『New Guitars In Town』が初CD化されたのも嬉しいところ。

なんたって、THE LURKERSはBeggars Banquetが最初に手がけたバンドだから、私にとってイギリスのインディーズを知ることになった特別な存在なんだ。

他にも、RADIO STARSの4枚組『THINKING INSIDE THE BOX』は2枚のアルバムとシングル曲が網羅した1枚で、パンクとグラムを繋ぐバンドの存在がよりはっきりする。
BBCセッション(1枚)も、このBOXがリリースされなかったら、出てこなかったと思う。

RADIO STARSが在籍していたChiswickレーベルは、今でも活動しているのに、Cherry Redからのリリースっていうのも、驚きの一つ。

The Vibratorsの4枚組『THE EPIC YEARS 1976-1978』も2枚のオリジナルアルバムにBBC音源(1枚)と、かつて単独で出ていた『Live At Marquee 1977』という内容だ。

BBCセッションは、ロンドンパンク登場時期の1976年10月のものが5曲入っており、シングルよりもパンキッシュな「We Vibrate」はマニア心をくすぐる。
パンクというよりはパブロックの範疇に入るThe Inmatesの3枚組『THE ALBUMS 1979-1982』は、初期のアルバム3枚がシングル曲と一緒だ。

今まで、最初の2枚は、日本だけでCD化されていたのだが、すぐに廃盤になって長い間CD化されるのを待っていた人も多いはず。

メジャー最後の3枚目『Heatwave In Alaska』は、今回初めてCDで聞くことができた。
このアルバム目当てに、このBOXを買っても元は取れるような気がする。

他にも、結構マニアックなBOXセットや再発ものが出ているので、また別に紹介しよう。


まあ、自分でもあきれるぐらい、パンクの再発ものばっかり聴き漁っているんだけど、このあたりを聴いていると認知症防止になるんじゃないかなと、開き直っておこう。

やっぱり、パンクは楽しい。

2017/11/30

 

 

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・・・・・・・原爆のライブ予定・・・・・・・

今年最後のライブは、大阪です。

12月2日(土)大阪 BILLI-KEN 703 まるたつ
Rebel Beat Gig Vol.119
共: THE BALLAD
TOYS ARMY
The Guity Neons
にわとりおばけ
BrainStew
effect

OPEN17:00 START17:30 
ADV2500 DOOR3000(D別)
住所:大阪市浪速区日本橋5-22-6 ラ・パレス日本橋 2F
■問合せ:LOUD SA REAL BEAT GIG係 080-6172-2439 

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来年は、年始早々からいっぱい決まっています。
2月10日(土)は『お年玉GIG』です。


2018年
1月6日(土)名古屋 Red Dragon

COCKNEY REJECTS LIVE IN JAPAN 2018
共:Cockney Rejects、Anger Flair、九狼吽 
開場18:30 開演 19:00
前売り 3,800円 当日4,300円(別途ドリンク代) 
■問合せ:Red Dragon 052red-dragon.com
TICKETS : e+ http://eplus.jp


1月27日(土)東京 下北沢 シェルター
無機質な狂気第5夜
共:マリア観音、ヒミツノコウドウ、赤いクラゲ
開場18:30 開演18:30
前売り 2,800円 当日3,300円(別途ドリンク代) 
■問合せ:シェルター shelter20180127@gmail.com


1月28日(日)名古屋 今池 ハック・フィン
MDC Japan Tour 2018
共:MDC、FLiPOUTA.A、Low Card de la morte、のうしんとう、Social Porks
■問合せ:ハック・フィン 052-733-8347


2月10日(土) 名古屋 クラブ・クアトロ
お年玉GIG 2018 HARD CORE ROCK MATINEE VOL.4
共:SLIP HEAD BUTT、GREEN MACHiNE、NEPENTHES、ETERNAL ELYSIUM  
開場15:30 開演 16:00
前売り3,000円 /当日 3,500円(税込/スタンディング/ドリンク別)
*入場時ドリンク代別途 500円が必要です。
■問合せ:名古屋クラブクアトロ 052-264-8211
http://www.club-quattro.com/


みなさんよろしくね。