第246回
ロンドンでレコード屋に行ってきたの巻


今年の3月に還暦を迎えたので、20代から計画していた”ロンドン旅行”を実行した。

3月のロンドンは旅行者にとって、お財布に優しい時期なのだが、積雪・凍結等の気象条件が悪化することもあり少し心配な時期だ。

今年も、2月末から”豪雪”がイギリスを襲っていたが、運良くロンドンに着いたその日から天候は落ち着いていた。


さて、今回のロンドン旅行、何が目的かといえば、夜はライブを観まくること。

例年3月は大物のライブがあるので、そこに狙いを定めた。

イギリスでは大物でも、日本では無名のバンドはタイミングを見定めないと観ることがほとんどできない。
今回は運よく、ELBOW・Everything Everything・Morrissey を大きなコンサート会場で観ることができた。
ELBOWはサポートでJohn Grantがつくという、この上ないサプライズがあった。


で、ライブを観るのは夜だから、昼間は何をするかといえば、30年前のように ”レコード店巡り” を考えた。

近年のイギリス旅行は、フェスティバルに行くことがメインだったので、金土日にレコード店やマーケットに行くことが出来ないことが多く、ちょっと欲求不満だった。
何しろ、レコードフェアやマーケットのストールで掘り出し物を見つけるのって、楽しいから。


ロンドン到着翌日は日曜日、いきなり ”ハックニー・レコードフェア” があることを、日本出発前に知り、早速足を運んだ。

開場から1時間経過した昼過ぎに、2ポンドの入場料を払い、興奮して会場に突入。

かなり多くの人が、エサ箱(レコードの入った箱)をさばいている。

まずは、人の後ろからどのようなものがあるのか、会場を一周してロック系が多いストールに突入。
価格を見ると、10ポンドから25ポンドと5年前と比べると少し高めの設定。

自分がイギリス盤のオリジナルで持っていないアルバムにターゲットを絞って、チェック開始。
ターゲット絞って見始めると、再発盤が多いことに気がつく。

”これなら、日本で簡単に手に入れることができる” ようなものも、3,000円を超えているので、
間違え防止のため、レコード番号を確認して盤面を確認してと、マニアの眼になってしまう。

パンク系は、持っているものばかりで、しかも高価なのでパス。

約2時間かけて、あれやこれや考えた上で、STRAWBSやFAMILY等、イギリスっぽいバンドのアルバムを購入。

何となく ”高いなあ” と思いつつ、”こんなもんか” と気持ちを鎮める。

実は、会場がハックニーと言ってもダルストン(今回の宿泊場所)なので、ブラックミュージック系の出店が多く、そちらは結構充実していた。
捨値のレコードも多くあったのだが、盤面を見るとひどすぎるものが多く、疲れ果ててしまった。


レコードフェアを後にして、先ずはホテルにレコードを置きに行く。

ダルストン・マーケットでトルコ料理を食べてから、バスでショーディッジに移動。

先ずは、Old Spitalfields Market に。

ここは第一と第三金曜日にレコードフェアをやっているのだが、日曜日は流石にレコードのストールは出ていなかった。

ついでに、Sunday Upmarket に立ち寄る。
いかにも観光客相手のレコードストールがあるのは承知していて覗いて見るも、何となく気分が乗ってこない。

続いて Rough Trade East だ。
午後4時過ぎなので、観光客で店内はギュウギュウになっている。

新譜のディスプレイを見て、なにを推しているのかチェック。
Goat GirlやDream Wife、Shameが目に飛び込んでくる。

奥の左手にある、バーゲン品もチェック。
2〜6年前の新譜がゴロゴロしている。

レコード盤もついでに確認すると、Sleep の12インチが格安で出ていた。

あっという間に時間が過ぎてしまい、慌ててBrick Lane Marketに行くも、時間が遅かったので観光客向けのおみやげ屋が目につく。
慌てて、Bethnal Green Road の Flashback に行ったが、閉店時間の午後6時になってしまい、しっかりチェックすることができなかった。


月曜日は、友達と会ったので、レコード店の旅はおやすみ。


火曜日、エンジェルにある Flashback へ向かう。

朝イチに行ったので、お客は少なめ。

今回の目的である、シングル盤のコーナーを徹底的にチェックする。

ジャンル分けしてなくて、ランダムに入っているエサ箱を、10枚くらい取り出しては確認。

60年代のポップスから、00年代のインディーまで、一緒に入っているから、頭を切り替えて見ていかないと見落としが出てくる。

案の定、一度見たところを見直すと、”えっ” っていうものが出てくるではないか。
自分でも呆れながら、2時間超シングル盤とにらめっこ状態が続いた。

あまり多く買うと帰りの持ち運びが面倒臭いから、ここは40枚で抑える。

後ろを見るとパンクのシングルコーナーがあり、追加で15枚見つけ出してしまった。
うーん、困ったもんだ。


水曜日。

流石にちょっと疲れたが、懲りずに Hoxton にある、Love Vinyl に12時頃に行く。

ブラックミュージックとダンス系がメインと事前にインターネットで調べはついていたが、何かあるといけないから覗きに行った。

ポストパンクのLPが結構あったが、持っているようなものばかり。
”シングル盤はないか?”と聞くと、地下のエサ箱を見ておいでと言われる。

ざっと2000枚くらい、誰もこんなもの買わないよって言いたくなるようなレコードが乱雑に置いてあった。

Tonightの「Drummer Man」が比較的きれいな状態であったので喜んでゲット。

昼過ぎに、バスに乗って北上し、Stoke Newington の Lucky Seven に。

これぞイギリスの中古レコード屋っていう感じの、何でもありな店内は、まさに今回夢に見ていたような光景。

シングル盤は箱に入っていて、ひと昔前の中古盤屋そのもの。

大まかに時期で区切ってあるので見ていて楽しい。
一枚あたりの価格もお手頃だ。

1時間ほど物色したが、驚いたのは私よりも先に入店していた数人が、私が店を出るときに未だ色々見ていたことかな。

残念なのは、このコラムを書くためにインターネットで情報を確認したら ”閉業” ってなっていたから、もうやっていないかもしれない。


木曜日。

オーバーグラウンドとDLRを乗り継ぎ、 Greenwich天文台近くにある、Music & Video Exchange へ。
Music & Video Exchange は、Notting Hill Gate にあるから、ロンドンに行ったことのある人ならば、ポートベロ・マーケットに向かうついでに寄った人も多いと思うが、私はこちらの店舗がお気に入りだ。

土曜日ならば、近くのマーケットでレコードのストールも出ていて、ほぼ一日楽しく過ごすことができる。

時間が許すなら、ラッセル・スクエアから188番のバスの2階に乗って、ゆったりとした気持ちでロンドンの景色を見ながら1時間半かけて行くことをおすすめする。

店内は、1階はレギュラーの中古品、地下はバーゲン品。

先ずは一階のシングルコーナをチェック。

持っていない The Stranglers のシングル等を見つける。

地下では、60年代のバンド、The Peddlers のアルバムを見つけることができた。

この日は、昼の1時から Rough Trade East で Superorganism のインストアー・ライブがあったので、慌ててショーディッジに向かう。

天気が良かったので、気持ち良くバスとオーバーグラウンドを使って Camden に。

パンク専門の All Ages Records を見た後、ガレージロックのシングル盤が多くある Sounds That Swing に行くと、店の人に ”今日は、地下の Vinyl Boutique に Boz がいるよ” って教えられ、速攻で向かうと、いかにも商売人な Boz がご機嫌な様子。

知らない人がいるといけないから追記しておくと、Boz は Morrissey のバンドでギターを弾いている、Polecats のメンバーだ。

店内は前日 Royal Albert Hall で行われた Morrissey のライブを見た人たち(レバノンやブラジルから来たそうだ)でごった返していた。


金曜日。

シティ地区にある高層ビルのスカイガーデン(要予約)でロンドンの景色を楽しんだ後、ソーホ地区にある、Reckles と Sister Ray に行く。

街の中心部にある老舗だから、品揃えも良い。

Reckless はパンク系のアルバムが入ったところだったみたいで、べガーズバンケットの出した77年のパンクオムニバス 『Streets』 が良い状態であったが、持っているのでパスしたら、隣から覗き込んでいた人が ”これいいか?” とピックアップする。

なんとなく、良いことをしたような気分になってしまった。


Sister Ray はデッドストックで掘り出し物があるのだが、今回は目ぼしいものが無かった。
中古で Locomotive のアルバムがあったが、あまりにも高額(10万円越え)なので、見るだけに留めた。


土曜日。

マーケットの日だ。

今回はレコード屋巡りばかりしていたので、この日はマーケットを楽しむことに。

先ずはフラワーマーケットで花を見ながら、ガーデニング用品をチェック。

イギリスは、ガーデニング命の人も多くいるので、見ていて楽しい。

路上でライブ演奏をする人も多くいた。


次いで、ブロードウェイ・マーケットにバスで行く。

いろいろな食べ物のストールでギッシリ。
サンドウィッチをモグモグしながら歩いていると、マーケットの端でレコード・ストールを発見。
覗いてみると、イーグルスやフリートウッド・マック等の王道な品揃え。

隣でレコードを見ていた人は、エルトン・ジョンを見つけて大喜び。
ごく普通なマーケットでの買い物風景を見ていたら、The Enid(70年代のプログレ)のファーストアルバムが目の前に飛び込んでくる。
やっぱりここはイギリスだなあと思うことしきり。


最後の日曜日。

考えずに Brick Lane に行く。

早めの時間で、人混みを避けたつもりだったが、やっぱりものすごい人だった。
レコードを出しているストールがあったので何と無く見ると、Brian James のファーストシングルの12インチ盤がいきなりあってうろたえた。

他は、70年代のメインストリームものばかりだったが、Genesis の 『Foxtrot』 がイギリス初回プレス盤だったり、店舗だと10ポンドのものが7ポンド程度で売っているから、マーケットは楽しい。


こんな感じで、ロンドンでレコード屋ばかりを巡る旅をしていたのだが、行くことができなかった店舗が多くある。
行けなかった理由は、場所が点在していて交通の便が少し悪いところにレコード店があるからだ。
時間の余裕があれば、Kingston まで遠征して Banquet Records も訪れたかったな。


今回は、イーストロンドンのダルストンに宿泊したので、話題の Kristina Records やソウルとファンクの品揃えが素晴らしいEldicaも覗いて来た。

特に Kristina Records はエレクトロニクス系の新譜が多くあり、もっと詳しかったら散財していただろうな。
中古シングルの箱は、70年代のロック系が多くあり面白い内容だった。

そうだ、ホテルから ”Cafe Oto” は歩いて2分だったことも付け加えておこう。
40年前のパンクな時代に、このエリアに行くことなんて怖くて出来なかったが、今は気をつけていれば地方の町に住む私としては、東京とそんなに変わらない気がする。


このレコードを見つけようといった切迫した気分じゃなく、ただ単純にレコード店でレコードを見る楽しさを久々に満喫することができた。

レコードを見ていると頭の血の巡りが良くなって元気になるから、不思議なもんだ。
インターネット通販も良いけど、やっぱり店舗を巡るのって楽しいよね。


じゃあね。

2018/6/27

原爆のライブ予定は


7月15日(日)東京 高円寺Show Boat
Art Core Punk Gig Vol.15
共:アレルギー、ロリータ18号
開場 18:30 /開演19:00
前売り 3,500円 当日4,000円(別途ドリンク代600円要) 
*TICKET sale ... 4/28〜ShowBoat
■問合せ:ShowBoat 03-3337-5745

9月1日(土)東京 高円寺Show Boat
感乱射
共:MOSQUITO SPIRAL、SOBUT
-DJ-ISHIKAWA(DISK UNION/a.k.a.TIGER HOLE)
開場 18:30 /開演19:00
前売り 3,000円 当日3,500円(別途ドリンク代) 
*TICKET sale ... 7/1〜LAWSON TICKET,e+,ShowBoat
■問合せ:ShowBoat 03-3337-5745


9月17日(祝:月)名古屋 今池まつり
無料 

9月23日(日)東京 EARTHDOM
Ice Pick ’18
共:鐡槌、桜花、壬生狼、AGGROKNUCKLE、CRIKEY CREW、GROWL STRIKE
開場16:00 開演 17:00
前売り2500円 /当日 3000円(入場時にドリンク代金が別途かかります)
■問合せ:EARTHDOM 03-3205-4469


じゃあね、また。