第294回
ロックをたくさん聴く の巻

図書館に行って、本を借りてきた。
「60sロック自伝 」がそのタイトル。
鮎川誠さんのロック体験を伝えてくれる本だ。
1964年に高校生だった世代ならではの、衝撃が伝わってくる。

冒頭の”「ロック・ン・ロール!」、言葉の響きだけで胸がワクワクして、感性がピカピカに光る。”
この短い文章で、全てを受け入れる準備が即座に完了してしまう。

ザ・ビートルズ前夜から始まり、ハードロックまで、どの章も楽しい。

この本の良いところは、マニアックに重箱の隅を突つくような感じがなく、ロックが大好きな人が、その体験を細かく教えてくれるところ。

それは、まさに王道の「ロック辞典」のようだ。


バンド名や曲のタイトルを見れば、頭の中ですぐに曲を思い出すようなものが多いところは、嬉しい限り。

本を読むと、なんとなく分かったつもりになっていたようなバンドを再発見する楽しみもある。
”俺の中の最重要バンド”と紹介している、アニマルズを聴き直すと、今まで気が付かなかったようなことばかり。

グランド・ファンクでお馴染みの「孤独の叫び」は、ドラムの入るところがとびっきり格好良い。

パンク世代にとっては、リトル・ボブ・ストリーのカバーでお馴染みの「アイム・クライング」も、エリック・バードンのぶっきらぼうな声に凶暴な音で目からウロコ状態。

他にも、ホリーズやデイヴ・クラーク・ファイブをひっぱり出したりした。


ロック・バンドをやる者の心構えも、随所に記されている。

”ロック・バンドは、60年代に出たのが最終形で、後はヴァリエーションしかない。
すべてが60年代にでき上がった。
それを越える形は、もうない。”

トドメは、最後にしっかり書いてある。

”結局、バンドは音で勝負よ。

音で勝負したバンドは、いくら時間が経ってもピカピカの最新型で聴かれる。
「ロックをたくさん聴く」。
これ以上、大切なことはない”

やっぱり、ロックっていいな。

2023/3/26


ライブ予定

7月9日(日)名古屋 トクゾー
『復活 七夕の夜』
出演:the原爆オナニーズ
    Danse Macabre
開場 16:30 /開演 17:00

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”JUST ANOTHER” DVD (\4800+税) 発売中。

●フジヤマ特典
メンバー直筆サイン入りの映画上映告知チラシと

ステッカー差上げております。

 

●公式ホームページ   https://genbaku-film.com/