渡辺正 連載コラム #66

フジヤマで売ってないレコードたち。


damned/damned damned damned (stiff/LP)

ダムドの一番目のアルバム。
コレを嫌いだという人は私の回りにはいない。正確には、私の前では気を使って「嫌い」と言えないのかもしれないな。

これが日本で発売になった80年代は、なんか意味もなく熱かった。世の中ハードコアパンクに移行する前の、頭の良くないR&Rパンクには微妙なすっとぼけた魅力がある。「これでいいのだ!」といったギャグマンガのテイストが溢れてる。時代の殻破りは、こういったチープなカッコ良さで成就させてきた、いつも。

50を過ぎても、私はホーキンスのエンジニアブーツを当たり前のように履いている。

ドクターマーチンは安いのがないから、ホーキンス。しかもハーフブーツというところが、中途半端にアンダー60を表現してたりして。

ひょんなことから、知り合いになった看護婦さんの一人がデヴィッド・シルビアンのファンで、そのブーツを履いてる私を見て「靴だけデヴィッド・シルビアンみたい!」と笑いやがったので、「あんな軟弱と一緒にすんな!」とすごんでみたが、JAPANファンの看護婦さんというのも、なんか嬉しかったので大袈裟に「いや!これはダムドを意識してるの!」と、わたし訳解らんこと口走る。

彼女、「エッ!ダメド?」って、まるでオヤジギャグ飛ばされ、おおいに笑う。

2003/10/19


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