渡辺正 連載コラム #72

フジヤマで売ってないレコードたち。


伝説巨神 イデオン 主題歌
 「コスモスに君と」戸田恵子 キング GK(H)-7503

アニメに関しては全く興味がないのですが、以前勤めていたレコード屋で「機動戦士ガンダム」のフィルムコンサートを企画したことがありました。

フィルムコンサートといのも、今となっては死語ですが、なにぶん30年近く前の事ですから来日ミュージシャンの新譜にあわせてライブフィルムをレコード会社から借りてきては売り場の一角で16ミリフィルムを上映したりしてました。
ボブ・マーリーとかなんかやけに盛り上がったのが懐かしい。

そんな折、どういう経路でアニメ上映会を企画したのかすっかり忘れてしまいましたが、ガンダムを上映。
ボブマーリーに比べて、なんと寂しい7〜8人の客と共に観たガンダムでしたが、別にこれといった感激もなく終わりました。

当時は「オタク」などといった特殊言語も確立されてなく、故に集まった7〜8人は強烈な個性を持った「プレオタク連」だったわけで、上映後 映写機を片してると、この連中なにか言い合いを始めてます。
シャーがどうしたの 人間の不条理だの、やたら人生の葛藤を論じてます、面白いから輪に入ってみました。
マンガひとつにこうも熱くなるのですから、面白くないわけがありません。

彼らの「アニメ」に於ける豊穣な知識は、私の理解を超えて宇宙の彼方です。
口など挟めない状態ですが、「店長はガンダムに人生を感じませんか?」と問われてしまいました。

これには参った。

「なにも感じない、マンガだし」
と 囁く勇気はまるでなく、テレビで適当に観てた「イデオン」の滅茶苦茶な展開が印象に残ってたから言いました。

イデオンは好きだなぁ 登場人物全員死亡ってのがパンクロックな感じで。

すると連中「オオ〜ッ」と、なぜか感嘆の声が上がります。
意表をつかれたのか、なるほどねぇとか言われてしまいました。
一人のガンダム崇拝者から更に

さすが店長はパンクロッカーですね!

2008/2/7


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