第13回
「今年もきました」


まだこんなに暑い夏になるとは気づきもしない5月の末のことだった。

彼は今年もやってきた。
そう、クワガタが。
今年はコクワガタ。ちっちゃいわっくん。
ということで、なまえはコワクどん。
だんだん虫のお助け小屋のようになってきたぞ。

コクワガタは越冬する類のクワガタらしい。冬眠しながら3年くらい生きるそうだ。
ということは、わっくんやブータンのように1年でつらいお別れをしなくてもいいのだ。
ただし、今年が3年目じゃなければ、の話だが。と、クワガタに詳しい友人は言っていた。

コクワガタはかなりちいさい。
ブータンくらいの大きさしかない。
わっくんは、人が家の中をのぞこうと、さわろうと、関係なくエサにくらいついていたが、コワクどんはいつも木の裏側に隠れている。エサを食べているところはまだ見たことがない。
ノコギリクワガタというのは、クワガタ界の王様なんだなぁ。エサ場ではいちばんえらそうにしていられるから、逃げる必要がないんだ。
コクワは弱いから、ちょっとしたことですぐ逃げてしまう。
わっくんにはない愛らしさがコワクどんには見える。

これからは毎夏昆虫日記をつけることになるんだろうか。
季節の使者は私をこれからも楽しませてくれるんだろう。



2004/7/25

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