『休みのくに』

アルケミー、やめようかなあなんて、そんな弱気なこと、私が思うとは誰も思っていないと思うが、まあ、思う時だってある。

つい先週、そういうふうに思う瞬間があって、まあ、徒労感の果てにそうなるのだが、さりとて投げ出したりできない自分にも、むなしくなる。

フジヤマの渡辺さんを非難しているわけではないが、自分の意志ではないにせよ、店を休んだり、ひきこもったり、休んだりできる人はいいなあと思う。

思えば小学校のころから、学校とか、塾とか、さぼったことはあっても、休んだことがない。病気もしない。頭痛も腹痛もほとんど経験がない。大きな怪我も病気もないので、休んだところで、休み方がわからないから、することがなくなってしまう。

だから、なにかしてしまう。そしてやめることが、ヘタである。

人一倍働いても、疲れないもんだから、そこからさらに遊んでしまって、でも次の日の用事も予定通りしてしまうので、ちっともやめられないのだ。

そういえば私はイノシシ年生まれ。猪突猛進。前しか見ていない。いや、前も見ていないかな。

15年くらい前、もうアルケミーやめようと思って、フジヤマに足を運んで、フジヤマで渡辺さんの顔見たら、やめたいって言えなくなった。そんな記憶がある。

『やめたら楽になるのに』なんていう人は普通の人だ。

やめたって楽にならないから、やめないのだ。健康なもんだから、体のせいには出来ないのだ。病気の人は休んでいてもせめられないが(オレはせめるが)、健康な人こそ休んでもいいのにと思うのに、休んではいけないらしいのである。

というわけで、アルケミーは、まだ、続くのである。

ちっううたく、もう!

JOJO広重 2002.3.7.


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