すきすきスゥイッチをやめて、暫くソロでステージに立っていた佐藤君をなんとか、いい形で客の前に出したくて色んなライブ企画をうった。POPな言葉とメロディーセンスは群を抜いていたし、なにより私生活の私を気にかけてくれた数少ない友人である。
美子ちゃんもこの頃、D-DAYをやめてたような気がする。それで2人でなにか、キレイな言葉、おもしろい言葉の組み合わせが出てきそうな第六感が働き企画した。美子ちゃんの繊細なステージも見れなくなっていたから丁度良いと思ったんだ。
1986年11月の渋谷ラ・ママ。
2人は赤い水玉模様で揃えたシャツで凛としていた。ほのぼのと暖かい佇まいに、思わず私は2人が登場しただけで、なんか心打たれて拍手していたんだ。説明できない感動ってあるよね、ていうか説明出来ないからそれを感動って呼ぶんだろうな、きっと。
2人にとって余りいいステージではなかったかも知れないけど、私はステージのそでで泣いていた。美子ちゃんに「ありがとう!素直なステージで可愛かったよ」と言ったら「パパ喜んでくれた?」彼女にパパと呼ばれて少し照れた私、かわいい。はたから見たら気持ち悪い。ほっとけ!
その後、突然佐藤君は「幸福な状態に音楽は必要ない」と、言い残して音楽活動を止めてしまう。 |