第131回
”みちゃった” の巻

別に、裏ものを見たっていうことではありません。
今度公開される、「PUNK'S NOT DEAD」 を見たのです。

なんでこんなことでいちいち書くかというと、この映画、面白かったからです。

自分と同じように、バンドをやっていた人間の発言は当たり前の事としてみて、それよりも若い世代がどのように考えているのか、一番知りたかったところが、やっと見ることが出来ました。

今のバンドは、実際のところ、よく来日するのでライブを日本で見ることは出来ます。
それも、凄くアンダーグラウンドな世界のバンドでさえも来ているので、はっきり言って 「来日」 は特別なことではないような気がします。

とは言っても、やっぱり 『凄い』 バンドもいるし 『この程度？』 と思わせるバンドもいます。
そのような中で、個人的にパンクって凄いなあ、って思わせることが多く出てきて、嬉しかったのです。

僕がいつも、インタビューを受ける時に答える言葉 『自分自身でやること』 がすべてのバンドに共通していて、編集で意図的にこうなっているのかもしれませんが、嬉しくてしょうがありませんでした。
特に、MY CHEMICAL ROMANCE のようなバンドが言葉を慎重に選んで答えるところなど、思わず ”こいつら、本物じゃん” なんて思ってしまいました。

決して ”パンク” であることを出さないようなバンドにこそ、その精神を強く持っていて、それを出さないことを知っているなんて正直、圧倒されました。

所謂パンクバンドは、思っていた通りだし、あまり衝撃はありませんでした。
まあ、実際話しているから、解っているだけかもしれません。
その分、先入観無しのバンドの意見は面白かった。

個人的に、「懐メロパンクは興味がない」 と言いますが、実はそういったバンドの中でも、ライブを観に行って話しているバンドが多く出てきて、私の持論と同じことを言ってます。

まだまだ、パンクも見捨てたもんじゃありませんよ。

じゃあね。

2007/9/2

第130回
”STILL ALIVE AND WELL” の巻

やったね、遂にまた山を越せる。
この感じ 何ともいえません。

今日は、タイトルのことを書こうと思ったけどタイトルだけで、解る人は分かって下さい。
この拙文を書き出してから、いろいろあった事のまとめのタイトルです。

自分は、まだ生きているし、”どっこいしょ” って云う感じです。
この感じは、歳を重ねるともっと感じるでしょう。

でも、戦争体験も先人みなさんのおかげで、せずに済んでいます。
有り難いことです。

ロックを聴いて、６０年代のアメリカ文化を知ると恐ろしくなりますが、そのような中で、爆音を出していたかと思うと、もの凄い決心だと、決意表明みたいなものを感じます。

今では、おじさんの AOR にしかとらえることの出来ない CHICAGO のファーストアルバムは、何ともいえない程、迫力があります。

同じように、THE EXPLOITED の３枚目は徹底的に反戦アルバムです。
彼等のように、軍隊経験者は視点が違います。

いくら、「戦争反対」って言っても、私のそれは、誰かの話（主に両親）が基本にあるだけで、夢にまで出て来て、起きることはないでしょう。
（父親は、いまだにそう云うことがあると言います）

シリアで、人類５０００年の歴史を感じたとき、４メートル下のまだ文化が眠っていることを知る度に驚きを感じました。

それは、人が積み上げた土の下なんです。

日本でも、同じですよね。

子供の頃、川で遊んでいると、まだ戦争の遺物が出てきて、家に持ち帰ると、父親が説明をしてくれました。
私たちが、次の世代に何を伝えることが出来るのか？

そんなことを考えるためにも、ロックは、必要なものであって欲しいです。

エンターテイメントとしてのロックと同じ次元で、必要なものであって欲しい。
今日は、そんな気持ちです。

2007/8/20