第134回
”パンクになったのだ” の巻

ヘビーメタルについては、個人的な感覚として「ノイズ」こそ本質をついていると思っている。

このことは、以前書いた時から全く変わっていない。
でも、「メタル」は別もんだ。正直、娯楽として楽しめるから。

１９９０年にアメリカで見た ”FORBIDDEN” っていうバンドは、STATUS QUO のパロディかと思うぐらい笑わしてくれた。
とは言うものの、今の「メタル」はいろんな音があって結構いい。
それこそ、大好きな DEFTONES 以降のバンドは殆ど、イギリスのパンクを通過しているだけに音楽の中に ”PUNK” を感じることが出来 る。
もっともそういった類の音楽しか聴いていないのかもしれない。
 
NEUROSIS に驚いたのが、１９９０年頃だったから、もう２０年近い時間が経っている。

最近、結構いいバンドを見る機会が多かったこともあり真面目に聴くことが多い。
個人的には ”HIGH ON FIRE” の新作なんか、かつてのグランジと７０年代イギリスのアシッド・フォークの匂いが混ざっている大傑作です。
なにしろ現代的な感覚で表現しているので、かつての音楽を知っている必要は全くありません。

それと、ライブで見た ”BLACK COBRA” は凄かった。

大好きなバンド CAVITY のギターと ACID KING のメンバーが出す音は芯が通った轟音。
とても二人でやっているとは思えないような音作り。
日本盤も今回招聘した ”EARNAL ELYZIUM” とのスプリットが出ているから、是非聴いてみるといいと思う。
彼等の単独作も出ているけど、まだ聴いていないので何ともいえませんが、ライブであの音だから、音源はもっと凄いと思う。

それから、”PELICAN” のライブも凄かった。
メンバーはストーナー系の人脈だけど、ゴリゴリの（私の考える）メタルでした。
音の塊具合が凄くなっていて、前回の来日時とは、スケールが全く違いました。

たまには、最近入手した作品で、気持ちのよかったものを書いておきましょう。

なんといっても ３／３ です。

これは面白いです。
幻のレコードがCD化されたのですが、完全にタイムトリップさせてもらいました。
高校生の頃の日本のロックそのもの。

だけど、いつも思うのだけど、この時代の日本のロックは世界基準でいくと PUNK そのもので、みんなアメリカのそれもニューヨークの最先端の音楽をなぜか聴いていて、パティ・スミスやテレビジョンは当たり前のように紹介されていた。
これは、水上はるこさんの偉業としかいいようがないけど、そういうもんだ。

ライブ音源もついた２枚組のため、もう一枚はメンバーが持っていた音源が発掘され、FRICTIONの原型がはっきりと分かる。
先日、名古屋のトクゾーでチコヒゲ＋JOJO広重のライブを行う機会があったけど、その時はもの凄い音のバトルで、非常階段でもなく、FRICTIONでもない、本当の意味でPUNKでした。
アンコールもやってもらい、名古屋に住む人はもの凄い体験が出来た筈です。

こういったライブ、我々の企画だと突然あるので、気を抜いて来ない人は大きな損をしましたね。
なにしろ、面白いライブ企画は、当日まで秘密なんです。
そんな感じが、３／３のライブ音源に詰まっています。

やっぱり、音と音の対決が一番格好いいなあ。

１２月１日はELL３０周年記念に中村達也と一緒に出ます。そんなもんでしょ。

2007/10/15