第150回
”ロック・マニア”の巻
かつて、ロック通の人にとって、パンクはそれこそクズだった。
だって、誰にでも出来るようなコード進行とうるさい音。
どう聴いたって、ロック通の耳に叶う代物じゃあなかった。
じゃあ、何が良かったのか?
イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』、ピンク・フロイドの『炎』
もう少し通の人は、エニドとかパルサーあたりかな。
そうそう、ツトム・ヤマシタも定番だった。
ハードロック通は、やっぱりレッド・ゼッペリンかディープ・パープルっていうところ。
極めている人は、何だったんだろう?
ヤードバーズを聴いていたよなあ。
それも、海賊盤のようなジミー・ペイジ在籍のライブものを。
間違っても、ストゥージーズは聴いていなかったような気がする。
MC5が好きだなんて言うと、”アホ” 扱いだった。
フレイミン・グルービーズに至っては、”そんなもん知らん”
だった。
そんな時にパンクになってしまった。
なんでか?
直感だ!格好良いからだ!
それだけ。
2分の間に、プログレとハードロックが持つエッセンスが全部詰まっていた。
ラモーンズ、テレヴィジョン(彼等は一曲が少し長いけど)、ブロンディと次々に、ぶっ飛ばしてきた。
次に、ロンドンからダムド、セックス・ピストルズ、エディ&ザ・ホットロッズ、ヴァイブレーターズ。
ロック通な人たちが聴いていた、ドクター・フィールグッドも、こちらにとってはパンク!
じゃあ、いまはどんなロックを通な人は聴いているんだろう?
ロック・マニアは、ガンズ&ローゼス、AC/DCを聴くんだろうなあ。
間違っても、AFIやマイ・ケミカル・ロマンスは聴かないだろう。
もちろん、デリンジャー・エスケイプ・プランも無視だよね。
エモ、メタルコアはロック・マニアは聴かないよね、多分。
いつでも、ロック・マニアとかロック通な人たちは私と違うロックを聴いている。
どうやったら、ロック通になる日は来るんだろう。
まだ、10年早いのかなあ?
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