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第178回
”やられました” の巻

2011年2月10日、東京渋谷クラブクアトロで観た、DEFTONESは凄かった。
彼らを観るのは、4回目。前回の来日公演とは、明らかになにか違う。

オープニングから、バンドの”やる気”がびしびしと伝わってくる。
若手のバンドが、”狙っている”時の空気だ。なんでだろう?
いったいバンド内で、どのような変化があったんだろう?
見た目では、ベースのChiが入院治療しているため、
代わりに元QuicksandのSergioになっている。
バンドの雰囲気がまるで違っている。

一体感がもの凄い。緻密に作り上げた音を、破壊して再構築してくかのようだ。
躍動感が伝わってくる。

自由に、演奏し表現の幅を広げていく。
様式を破壊していく。

実は、彼らを、2006年のサマーソニックで観てから、
新譜が出ると、慌てて購入、チェックをしているだけのバンドになっていた。
だから、前回の来日公演の時も、”良いライブ”程度の印象しかない。

個人的なDEFTONESに対する想いは、
メタル系のバンドなのに、イギリスのポストパンクのニュアンスが強いところだ。
繊細かつ凶暴なところの対比。
これは、ほかのバンドにはない魅力だ。
KORN、Rage Against The Machine、TOOLと求めるところが異なる。
近年は、EMO系のルーツ的バンドの一つとして捉えていたが、
この日のライブを観て、DEFTONESは今を生きるバンドであることをを実感した。

リラックスしたバンドの空気、
その空気を瞬時に”狙っている”感覚に持っていくところは、
DEFTONESが”偉大だったバンド”ではなく”偉大なバンド”たらしめるところだ。

あの時間を共有した人に感謝。

じゃあね

2011/2/28