#1 the原爆オナニーズ ファースト・シングル・リリース
■the原爆オナニーズ/I
WILL (CD)
フジヤマ・ホームページ大作戦…。
遂に、時代に追い付いた。全くそんな感じだよ。でも、気分はアナログのままだから本当に困ってしまう。とは言っても、新しいもの好きだから、DVDのついたパソコンを持っていたりする。
さて今回は、久しぶりに、我がthe原爆オナニーズが4月8日(お釈迦様の誕生日)に新譜を出すので、そのお知らせ。
今回出すレーベルは、なんとアルケミーでもTIN DRUMでもなく、大メジャー日本コロンビアの手下のTRIPPIN' ELEPHANTなるレーベル。
なんじゃ、そんなレーベル知らんぞ”っていう人だらけだと思うから説明しておくと、元ポゴの良太が現在やっている”ジグヘッド”とか、現在大人気の”ジー・ミッシェル・ガン・エレファント”とかが居るレーベル。
これで、何となく判ってもらえそうな気がする。じゃあ、どうしてそんなところから出すのかっていえば、昨年の夏に(半ば強引に押掛けて、ライブをブッキングしてもらい)ミッシェルと一緒にやった時の打ち上げの席で「7インチのドーナッツ盤ならいいよ」って言ったら、本当に出すって言うことになってしまった。
実は原爆のレコード総て持っている人なら判ると思うけど、まだシングル盤は出したことがなかった。今までは総べてEPでのリリースだったわけ。じゃあどうして、ドーナッツ盤なのかと言えば、エディが行きつけの飲み屋(名古屋にある”オーティス”って云う、ブラックミュージックのかかるお店)のジュークボックスに入れてもらいたい一心で言った言葉が導火線になっている。
それと僕自身がパンクの7インチを集めているから、自分の物が欲しかったりもする。
そうなんです、これが原爆の”ファースト・シングル”になるのです。
もう20年近くこのバンドをやってきて、遂に感動的な”シングル・デビュー”となります。新人バンドの気分だね。嘘だけど。
収録曲は4曲。で、ここからが凄くせこい。
実は7インチ・ドーナッツ盤といいながらCDも出しちゃったりする。それも1曲だけ収録曲を変更して。
曲のタイトルはA面 I WILL、 B面 I DON'T 、 C面 (WHAT HAVE WE GOT ?) FUCK ALL、 D面 IWANNA BE YOUR DOG、4面あると云うことは2枚組と云うことです。
CDのほうはFUCK ALLの代わりに”なんにもない”が入っています。曲順も若干違っています。この辺が、コレクター根性丸出しです。でも、遂に僕がボーカルをやりたいと思うきっかけを与えてくれたIGGY POPのいたTHE STOOGESをカバーしたんだから、聞いて。
これで、デトロイト3部作(他はGFR,MC5)の完結。
そして、リリースに合わせて東京・名古屋・大阪とツアーをします。
日程は
4月14日(土)東京 クラブクアトロ
with COLORED RICEMEN、BORIS、STUPID BABIES GO MAD
4月21日(土)名古屋 クラブクアトロ
with BAREBONES、ROCKY & THE SWEDEN、DELTA
4月28日(土)大阪 クラブクアトロ
with SWARRRM、ガラダマ
共演バンドは総て自分で決めました。当然、好きなバンドばかりです。とくに、地元名古屋では、元SDSのメンバーが新しく作ったバンドDELTAが出てくれます。
ツアーのタイトルは”ロックン・ロール・アニマル”。言うまでもなく、ルー・リードのライブアルバムのタイトルから取りました。
今回はこんなところ。続きは次回っていうことで。
じゃあね。また。
2001/3/1
#2 the原爆オナニーズ プロモーションビデオを作る
■photo/the原爆オナニーズ「onanies at last」(LP)より
何と、プローモーション・ビデオを作ってしまった。
20年間バンドをやっていてこんなものを作ることになるとは全く思ってもいなかった。でも、水の中に飛び込んだりとか、スタジオの中で演奏しているふりをしてような"本当の"プロモーション・ビデオではない。
じゃあどんなものかといえば、全くもって単純明快"ライブ"映像をまとめただけなのである。で、問題はそのライブである。
なぜならば、名古屋のライブハウス「ハック・フィン20周年記念日」その日にとったライブなのである。2001年3月3日がその日であった。
考えてみれば、ハック・フィンでライブをやるようになったのは、ELLがパンク締め出しをしたから、ところてん式にこのライブハウスに辿り着いたようなもんである。
"来るものは拒まず"の姿勢がこの店にはあり結構気に入っていた。だいたい、このライブハウス、オーナーが"やるところのない連中がいる限り、ここの存在価値はある"なんて平気で言っているんだから。当然、ここでライブを初めてやった時は驚きの連続だった。
それまでやったことのあるライブハウスには有ったものが、無いのである。例えばステージのモニタースピーカーが無い。
だから生音でやる。
PAの音を聞き分けてやるのが当たり前。こういうところでライブを重ねていくとバンドは当然強くなっていく。よく外タレを見ていると"生音がでかい"バンドが多いけど、それもやっぱり"昔のハック・フィンみたいなライブハウスでやっているからなんだなあ"と思わせることが多い。うちらも生音でかいし。
じゃあ、ビデオはどんなものかと云えば、あまりにも目まぐるしくショットが変わるため、一度見てからのお楽しみっていったところ。まあ、「原爆アーミー」は凄いよ!もう何世代も変わっているけど、"原爆マニア"の冒頭のお客さんと全く変わっていない。本当に元気なのである。20年間、いつの時代でも、彼等のサポートがバンドの活力になっている。名古屋だけではなく、全国、いやアメリカにも居るから、全世界の「原爆アーミー」のお陰なんだ。
ビデオの途中に入る"モッシュ"シーンは、メロコアのライブで見られる手を繋いだ例のやつではなく、アメリカのアンダーグラウンド・シーンのそれと同じ暴れっぷりで、サークルモッシュは、これだ!っていう位、いかしているので、そのシーンだけでも見てもらいたいもんだ。
ステージ・ダイブなんかじゃないんだよ、やっぱり、サークルモッシュだよ、パンクのライブは。
個人的には周りの人がとっても迷惑な、スカンクが好きなんだけど、ビデオにはそのシーンは入っていない、悪しからず。
先回も書いたけど、4月14日から東京・名古屋・大阪の順で毎土曜日にライブをやります。一緒にやってくれるバンドも全部最高なんで、是非見に来てね。そして、サークルモッシュをしてね。やっぱ、パンクはライブが一番なんだから。
2001/4/5
#3 ロックンロール・アニマル!
■2001年4月14日 渋谷クアトロ
いきなりなんですが、ジョーイ・ラモーンが4月15日(日)午後2時40分にリンパ腫ガンにより亡くなりました。合掌。
で、今回は原爆のツアーレポートをしましょう。
今回のツアーは、東京・名古屋・大阪の順番で全部クアトロでやるっていう、”メジャー”なツアーでした。
でも、一緒にやってもらったバンドは、全部”本当のインディー”ばかり。要するに、僕が見たり、聞いたりした中で「これだ!」って思ったバンドばかりなので、できるだけ多くの人に見てもらいたかったんだけど、どうも思いは上手く伝わらなかったみたい。でも、本当に最高のライブばかりだったよ!
一緒にやったバンドは、カムズやオウトの時から付き合いのある”カラード・ライスメン”を始め、ボリス、スチューピッド・ベイビーズ・ゴー・マッドが東京で、ベアボーンズ、ロッキー・アンド・ザ・スウェーデン、それに元SDSのフロント3人に元グリーンマシーンのダッツが加わったデルタが名古屋、大阪はアルケミーのバンド、ガラダマと昨年11月にガーゼとのツアーの時に一緒にやってくれた神戸のスワォーム。
全てのバンドが、いままで見た中で最高の部類に入るライブを展開してくれ本当に至高の時間を作り上げてくれた。見に来てくれた人は、今日本のアンダーグラウンドで何が起っているのか、チョットだけ判ったのではないかと思う。そのぐらい今回のツアーは素晴らしかった。雑誌にあまり載らないようなバンドばかりだけど、それは、こちらのやっているところが、まだ、本当に地下活動なんだからしょうがない。
原爆は、今回は冒頭に書いた悲しいことがあり、実に15年ぶりぐらいなんだけど、名古屋で、第2部全曲をラモーンズでやった。
ラモーンズをやってみて、素晴らしさを実感した。
パンクの基本なんていうものは無いんだろうけど、ロック・バンドの基本を再確認した。単純で明瞭な3分間ポップスの魅力そのものだ。ポップス世代の僕にとって、これは大きな収穫だった。
やっぱりポップスはいいよ。ラモーンズはやっぱり格好いいよ。
今回は、こんな感じ。じゃあね。
2001/4/20
#4 ”へヴィー・メタル”ってなんだ!
■原爆階段でのタイロウ
たまには、大好きなロックの話をしましょう。
”ロック”っていっても、なんか細かいジャンル分けをされてしまって訳が分らないことが良くあります。
自分の得意だと思っていた”パンク”でも、ハードコアやらメロコアだとかスカコアだとか、正直「同じじゃん」って思ってしまうようなものまで、こと細かく細分化されたジャンルが存在しています。売り手としてはそのジャンル分けによって、売り易くしているんだろうけど、買い手にとっては、本当に分けの分らなくなることだらけのような気がします。
そのジャンル分けのもっとも細分化されているのに、”へヴィー・メタル”があります。
実は僕はこのジャンル、とっても苦手です。でも、本当の意味での”へヴィー・メタル”は凄く好きで好きでたまりません。
じゃあ、本当の意味での”へヴィー・メタル”って、なんなんでしょう。
僕にとっては、簡単明瞭です。
それは、「都会の音」になります。
レコードでいえば、テレヴィジョンのファーストアルバム、MC5の「KICK OUT THE JAMS」、LOU REEDの「LOU REED LIVE」と「BERLIN」、BLUE OYSTER CULTの3枚目まで。残念なことに、とっても好きな、ブルースロックはやっぱり、”へヴィー・メタル”にはなりません。
BLACK SABBATHもHUMBLE PIEもへヴィ−であっても、メタリックであっても、”へヴィー・メタル”ではありません。
LED ZEPPELINにしてもなんか違うような気がします。イギリスのバンドには、土の匂いがどうしても感じられてしまいます。あえていえば、イギリスのバンドならば、ROXY MUSICとかDAVID BOWIEといったようなグラム系のほうが、まだ近いような気がします。
どこがどう違うのか。
「ねじれ具合」っていうところかなあ。
先に挙げたアメリカのバンドは、コンクリートっぽい。袋小路で、爆発しているような感覚があります。
イギリスのブルースロックバンドも、袋小路で爆発している音なんですが、その、袋小路はコンクリートではなく、レンガであったり、石畳であったりするところが、情景的に違ってきてしまいます。
あくまでも、コンクリートがキーワードです。
それならば、いま”へヴィー・メタル”って思うのは何かと言えば、ハッキリ言って「ノイズ」です。
非常階段やインキャパシタンツが僕の中で最も”へヴィー・メタル”なバンドです。こんなこと言うと、また原爆のメンバーに”分けが分らんことを言って!”って叱られそうですが、本当にそう思っています。
「予定調和を拒絶した」格好良さがそこにはあります。
この感じが大切なんです。
ロックの格好いいところは、「うるせえ、てめえなんかにわかってたまるか!」が面に出ているところではないかなあ。
そしてそれこそが”へヴィー・メタル”だと思うわけです。
じゃあ、また次回。
2001/5/9
#5 好きなヴォーカリストの巻
■客席にダイブのタイロウ
今まで、何回かインタビューを受けたりしているんだけど、誰一人、「どんな、ヴォーカリストが好きなんですか?」とか「どんな、バンドが好きなんですか?」なんて言う、基本的なことを聞いてくれない。
だいたいバンドをやりたいなあ、って思った時には必ず”お手本”があるもんだ。
それなのに、誰もそんなこと聞いてくれない。だから自分で、告白しちゃおう。
今回は、やっぱりヴォーカルだ。
誰が好きかと言えば、イギー・ポップでしょ、スティーブ・ハーレイでしょ、えーと迷っちゃうな。
でも、どのようなヴォーカリストになりたいのかって言えば
1、クリス・ファーロウ(コロシアム〜アトミック・ルースターの頃)
2、ポール・ロジャース(いつでも)
3、ロジャー・チャップマン(いつでも)
4、ロッド・スチュワート(フェイセスの頃まで)
5、スティーブ・マリオット(いつでも)
の5人が目標です。5人に共通なのは、”思いっきり歌う”シャウターです。
凄くテクニックあるヴォーカリストなのに”がなる”と格好良い人ばかりです。
僕は、残念ながら上記の人たちの足下にも及びません。
とくに、コロシアム・ライブでのクリス・ファーロウは、色気があって、そのうえ迫力もあるんだから文句の付けようがありません。
イギー・ポップだって、ここまで凄いと思わせるような音源を聴いたことはまだありません。
でも、どうしてこの5人なのかっていえば、パンクになる前に影響を受けたからです。
僕にとって、パンクは「自分らしくあること」で始まっているのでジョニー・ロットンもデイブ・バニアンもマーク・スチュワートも目標としてはいけないのです。
僕は僕のやり方でやれば良いのであって、別に真似をしたりする必要もない訳です。
だから、パンクバンドをやっている限り、”僕らしく”やっていけば良いので5人の足下にも及ばなくても平気でいられる訳です。
でも、いつかは、同じようになりたいなあ。
じゃあね、また次回。
2001/5/24
#6 ロンドン”絶景ポイント”発見の巻
■the原爆オナニーズ/just
another (EP)より
久しぶりに、イギリスに行ってきた。
やっぱりこの季節は、最高!
からっとしていて、そのうえ日照時間が長い。
夜の9時でも、まだ明るい。
これが冬だと、4時に暗くなるんだから、この差は大きい。
そのうえ、至る所できれいに花が咲いている。
イングリッシュガーデンは本当にきれいだ。
こちとら観光目的で行っているんだから、お上りさん状態でいろいろ見ておかないといけない。
で、ロンドンに着いたら、ガーリック・ボーイズとロリータ18号が「カムデン・アンダーワールド」でライブをしているではありませんか。
これでは、日本にいるのとなんの差もありません。
でも今回は、いろんなライブを見に行きましたよ。
そんな中でも、ピカイチの会場を発見しました。
10回以上イギリスに行っているけど、こんなに素晴らしい会場があるとは知りませんでした。
もし知っている人がいたんなら”どうして教えてくれなかった!”と、つっかかってしまいそうになります。
その会場は、KING'S COLLEGE STUDENT'S UNION。
場所は、SURREY STREET(OFF THE STRAND),LONDON W1
もしロンドンの地図を持っている人がいるんだったら、地図を見て欲しい(インターネットですぐ見れるけど)テムズ川沿いのSOMERSET HOUSEの横にあり、対岸にNATIONAL FESTIVAL HALLがあります。
この会場の凄いところは、そのテムズ川沿いの絶景が一望出来るところです。
本当に、ロンドン観光をするには一番です。
右手には、タワーブリッジ、左手にはビッグベン。
観光名所が全部見える訳です。
とくにライトアップされた風景は絶品。
こんな景色を見ながら、ライブを見れるんだから文句はありません。
因にこの日見たのは、”CLEARLAKE”というブライトン出身のイギリスっぽい音をしたバンド。
やっぱりハードコアとかメタルではなく、ポップでこじゃれたバンドがこういう場所には似合うよ。
久しぶりに、大満足な一晩でしたね。
じゃあね。
2001/6/16
#7 雨の日はダメの巻
■the原爆オナニーズ/エッセンシャル(CD)より
6月になると、梅雨がやって来る。
実は、この季節が苦手である。
なぜならば、雨が苦手だからだ。
でも、眼鏡をかけるようになるまでは、雨の日って好きだったような気がする。
小学生の頃は、雨の中でびしょぬれになって遊んでいた記憶があるし、それこそ、いまでは住宅地になってしまったような場所が山だった頃は、そこで、泥んこになって遊んでいた。
中学生の頃だって、部活で雨の中ランニングするのが結構好きだった。それも、1時間ぐらいずーっと黙々と走っているのが面白かった。
でも、ここ15年は雨があまり好きではない。
とは云っても、家の中にいる限り、雨の日は、考えたり、レコードをでかい音で聞くことができるので、結構、好きだったりする。
要するに、家から出ないんで済むんだったら良いのである。で、今日は雨なのである。
こんな日は、パンクロックを聴くに限る。
今日、吾が手に近付いてきたのは「LITTLE BOB STORY」というバンドの「HIGH TIME」と「LITTLE BOBSTORY」の2枚のアルバム。
熱心なパンク・ロック・ファンなら知っている通り、フランスのパブロック系のロックンロールバンドだ。
77年には、イギリスの”CHISWICK”からアルバムを出しているから、結構名前は知られているほうだと思う。
決してハチャメチャなパンクロックではないところが良い。
ポゴダンスのスピードで、且つ腰を振って踊ることもできる、ハイ・エナジー・ロックンロールなのである。
パンクロックの魅力は、なんでもあり、なところなんだけど、こういった、オーソドックスなロックバンドだってパンクなのだ。
メンバーの写真を見ると、どう見たって、女性にもてそうにない、いかがわしい、面構えをしている。
なんにも考えないで”ロッケンロー”って云う気分にしてくれる、こんなバンドが近づいて来る。
今日は雨の日でよかった!
2001/6/23
#8 ”パンクロックが大好き”の巻
■渋谷クアトロの楽屋にて(隣はエディ)
いきなり自慢しちゃうけど、BLUE HEARTSのヒロトのように「僕パンクロックが大好きです」なんて歌うまでなく、私はパンクロックが大好きである。
で、ここからが問題なのである。
パンクロックが大好きって言うと必ず「どんなバンドが好きですか?」って聞かれるのである。
これはとっても困る。
だって、総てのパンクロックが好きなんだから。
バンドとして音は好きじゃなくても、考え方が好きなんて云うのもあるし、音は好きだけど、考え方は大嫌いなバンドもある。
でも、全部好きなのである。
それこそ、街角でライブをやっているバンドから、伝記や写真集の出ているバンドまで、パンクロックなら、全部好きである。
じゃあ、パンクってなあにって聞かれると、「自分自身」なんて云う決定的な答えをもっているため、これまた、聞いた人にとっては”???”になるようなことが多い。
聞いた人は、たぶん政治観とか社会観みたいなところや、音に対する考え方を期待しているのは分かっているんだけど、そんなものは、僕にとってパンクでもなんでもない!
生活の一部分を切り取って、大袈裟にいっているに違いないぐらいの感じなのだ。
たぶん、the原爆オナニーズをよく知っている人は、このことは凄く良く解るだろうし、そうで無い人は、やっぱり”???”だろう。
難しそうなことを、理屈をこねて喋ることなんて、簡単なことなんだけど、一言で、結論を分かりやすく云うことは凄く難しい。
僕にとってパンクは、”一言で”解らせるものだと思う。
だから、1秒の曲や、一音だけの曲がパンクにはある。
いろんな表現を制約することは、パンクでもなんでもないと思う。
なんでも有りなのである。
僕とあなたは違うことは最初から分かっている。
だからこそ楽しいのである。
じゃあね。
2001/7/8
#9 ”みんな80'Sが大好き”の巻
■渋谷クアトロにて
ちょっと前の話なんだけど、6月に原爆は凄く久しぶりに平日にライブをやりました。
皆さんも知っている通り、原爆は『勤労者バンド』なので”平日は、ライブを入れない”約束があります。
でも、今回はどうしても対バンをしたいバンドがありましたのでメンバーに無理を言ってライブをしてしまいました。
そのどうしてもやりたいバンドとはJETS TO BRAZILとBURNING AIRLINESでした。
4月のある日、NAHTのセイキから、電話がかかって来て名古屋で、ライブをやるので出て欲しいと言うことでした。
「大阪と東京はイベンターがやるけど、名古屋は独自にやる。」って言うものでした。
本来ならば、平日なのでダメなんですが我々がアメリカに初めて行った時に最初に対バンをしてくれた「JAWBREAKER」のメンバーがいるJETS TO BRAZILが初めて日本に来るからには、断る訳にはいきません。
当日の出演順も、本来ならば原爆がオープニングアクトの筈なんですが、セイキのいきな計らいで、BURNING AIRLINESとJETS TO BRAZILの間の3番目に入れてくれました。
実は、この順番は信じ難いことなのです。
だって、メインアクトの後にライブをやるんですから。
JETS TO BRAZILのブレークも”本当に、いいの?”って言っていました。
ライブ自体は、現時点で最高のアメリカのバンドがやる訳ですから良いに決まっています。
JETS TO BRAZILとBURNING AIRLINES、ともに素晴らしい出来でした。
ひりひりするような感覚というより、幅のある温かいパンクロックがそこにありました。
集まってきた人も、悪のりするタイプの人は一人もおらずライブを楽しく見ることのできる人ばかりだったことも、これらのバンドの持つ、懐のふかさを感じることが出来る結果になりました。
それにしても、この日、会場でかかっていた音楽は出演者を良い気持にさせてくれました。
セットチェンジの時にかかる音楽にあわせJ ロビンズもブレークもみんなハミングしていました。
かかっていたのは、80'Sのイギリスのポストパンク。
それも、ヒット曲ばかり。
ジャパン、U2等々、みんなこういった曲を聞いて育ったんだ。
共通のバックグラウンドを持つことの嬉しさを久々に感じました。
2001/7/22
#10 ”ナベジはやってきた”の巻
■タイロウの顔歪めてみました、別に意味ありません
原爆は6月から7月にかけて、怒濤のライブ攻撃を行った。
なんたって、平日にライブをやったし、3週間連続でライブもやった。
その昔、フォークジャンボリーのあった中津川にも初めていった。
勿論、盟友GAUZEと京都磔磔でライブもやった。
でも、とどめは『渋谷クアトロ』のライブだ。
なぜ、”とどめ”かというと、それはメンツが面白かったからだ。
正直、クアトロでやるようなメンツではなかった。
もっとも、ヘッドライナーMOGA THE \5はツアーファイナルだったし、超人気のHUSKING BEEが出演したので、クアトロ向きなのかも知れないが、我々を含めた、他の3バンドはもっと小さな小屋のバンドだった。
だいたい誰が、WAG PLATYやGOといったバンドをクアトロで見ることができるなんて考えるだろうか?
それよりも、”柵”越しに見ることなんて考え付くんだろう?
ちょっぴり、シュールな感じだった。
でも、バンドっていうのは不思議なもので、そういった場所でライブをやると、それなりの雰囲気を持ってライブをやってしまうものだ。
WAG PLATYもGOもとっても格好良く、いつものようにやっていた。
じゃあ、我々はといえば、最強の助っ人が来たのである。
体調が悪いといいつつも、ステージの上でラップをカマシながら、いつもの調子で、MCをやってくれる、”ナベジ”が来てくれたのである。
これは、かなり嬉しかった。
だって、前日に「来てね」のメールをしただけでちゃんと来てくれるんだから。
いつもよりは、少し上がりぎみだったけど、こちらには、充分すぎるパワーを与えてくれた。
結果は、その場に居た人なら判ると思うけど、いっぱい間違えたり、とちったりしたけど、かなり、満足のいくものだった。
この感じが、大切なんだよ。
日常生活とは切り離れたところにある”ライブ”が、実は、何のかわりもなく、そばにあるという事実。
パンクを聴き始めた時に”等身大のロック”であることがキーワードだった。
ついつい、上昇指向という名の下に摺り替えられてしまうことがよくあるが、やっぱり、自分自身であることの大切さは忘れてはいけないんだなあと、つくづく思ったのであった。
ありがとう。
2001/8/7
#11 ”ロックは生き物”の巻
■フジヤマのそばの公園の滑り台
ロックの話をすると、60年代は良かった、とか70年代のパンクは良かった。
みたいなことを言う人がいる。
そして、そういう人に限って、「今のロックはだめだ!」ってよく言う。
毎回不思議に思うんだけど、一体何を聴いているんだろう?
DEFTONESやNEUROSISを聴いたことは無いって言うし、MOGWAIもASHもTRAVISもMERCURY REVも知らないって言う。
その言い訳として、聴いたことも無いのに「ロック魂が感じられない」と必ず言う。
でも、とっても偉そうに、「ロック談義」をするんだ。
”あの、ギター・ソロは良かった”とか。
正直、”ふざけるな!”って思ってしまう。
昔のロックなんかより、今のロックの方がカッコ良いに決まっている。
どうしてかって言うと、ロックは「同時代音楽」だからだ。
確かに、ロックを体系付けて研究しているのであれば、それぞれの時代に合った「ロック」がある訳だし、それこそ、60年代だから成立した音もある。
同じように、2001年だからこそ成立する音もある訳だ。
そのことを忘れて、昔のものしか聴かなくなっている人は、もうロックを愛している人とは思えない。
単なる、懐メロ好きに過ぎないのだ。
過去の作品を否定する気は全く無い。
それどころか、かつて聴かなかったような音楽に会い、吃驚することの方が多い。
少年だった頃には聴いてもピンと来なかった西海岸の音やフォークミュージックに驚かされることが多い今日この頃だ。
時間が経つことで昔聴けなかった音が見えてくることもある。
そう云ったことを勘案しても、僕にとっては、最新の音こそが”カッコ良い”のである。
外道は大好きだし、FLOWER TRAVERIN' BANDだって同様である。
それと同じように、BORISやGAUZEが大好きなのである。
今、生きている時間に観ることのできるバンドを捨ててまで過去の記録に時間を費やすつもりは無い。
なぜならば、今観ることの出来る総てのバンドが10年後には、伝説になっているんだから。
”バンドは、生き物”なんだよ。
同じように、ロックも、まだ生きていると思う。
だって、聴いていてわくわくすることが多いんだもん。
2001/8/15
#12 ”今池祭り”の巻
■上野・不忍池
前回、”懐メロばっかり聴いてんじゃねえ!”って威勢よく書いた次の日に、懐メロのレコードばかり、20枚以上買ってしまった。
買ったのは相変わらず、プログレ、ブルース・ロックにパンク・ロックとワンパターン振りを発揮してしまい、ほんと、人の悪口を言っている場合じゃなくなってしまいました。
最も新しいものでも、89年にリリースされた76%UNCERTAINのHUNKAHUNKABURNIN LOGなので「こりゃ、あかん」って少し反省してしまいました。
で、反省して慌てて買ったのがテキサスの”SPAZM 151”って言うバンドのアルバム。
速いし、短いし、これは痛快、文句無しです。
そのうえ、大好きなOFFENDERSとJERRY'S KIDSのカバーをやっているじゃありませんか。
ジャケットは、これまた大好きなBIG BOYSのビスケットがBIG BOYSのジャケットと同じパターンで描いているし、もしよかったら、聴いてみて下さい。
ラップ・メタルばかりが、アメリカのパンクじゃない事を、思い出させてくれました。
もっとも、TOOLの『LATERALUS』を聴きながら、これ書いているんだけどね。
ここで、話題を変えよう。
我々the原爆オナニーズが、一年でもっとも楽しみにしているライブが遂にやって来る。
毎年9月に行われる、「今池祭り」がそのライブだ何が楽しいかって言えば、『お祭り』なのである。
でもって、商店街の真ん中の特設ステージでライブをやる訳。
見ているのは、市会議員の後援会のおじさん・おばさんをはじめ有名割烹料理店のオーナーだったりする。
もちろん、現役のパンクスもいっぱいいるし、20年前にパンクスだった”お父さん”や”お母さん”も子供と一緒に、この日だけは見に来てくれる。
そういった、いろんな人がライブを見ながら、みんな楽しく”暴れる”これがこの祭りの凄いところなのだ。
モッシュピットを見ると、”なんか変だぞ”って思わせるような奇妙な、暴れかたをしている年輩の人がいたりする一方小学生ぐらいの子供が、パンクスと一緒になってポゴしてたり、サークル・モッシュに加わっていたりする。
これは、その場に居ないと分らない、ふしぎな空間だ。
今年は、9月24日(月)…振替休日にやるから時間があるようだったら、是非参加して下さい。
お祭りなので、ライブチャージなんか不要のフリー・ギグですよ。
場所は、名古屋の今池一帯でやっているからすぐわかる。
因に、原爆は午後7時ぐらいにやれるらしい。
ほんと、楽しみだ!
じゃあね。
2001/9/10
#13 ”知らないレコードを買おう”の巻
■レコード・プレーヤー(フジヤマの渡辺所蔵)
幸せなとき、嬉しいときって、どんなときだろうって考えてみると、わたしの場合はやっぱりロックを聴いていたり観たりしているときだなあ。
リアルタイムで、頭をかち割られるような感じがあると、本当に”よかった”って思う。
今まで、いったい何回そういった感激があったとか、と言うと、一回や二回じゃないことだけは確かだ。
だいたい、知らないバンドのレコードを買う時が一番楽しい。
それも、バンド名で買ったり、ジャケットで買ったりする時が。
今まで、これで外れたことは数える程しかない。とくに、アメリカのハードコアはほとんど当たっている、前回書いた、SPAZM151だって同じ。
よく他人に、知らないバンドをなんで買うの?って聞かれるけど知らないバンドだから”どんなバンドなのかなあ?”ってわくわくしながら、買うのであって、知ってたらそんな感覚ないじゃんって答えている。
で、今日は”THE HYPSTRZ”な気分だ。
そんなバンド、知らん!っていう人がほとんどだと思う。
BOMPレコ−ド傘下のVOXXからアルバムが出ていて、これが、アメリカのトップ40コピーバンドにしては物凄いパワーがあり、面白い。
1979年4月に録音されたものなんだけど、収録曲はウィルソン・ピケットの「ミッドナイト・アワー」から始まり?&ザ・ミステリアンズの「96粒の涙」まで14曲。
ジャケットに写るメンバーの姿は、どう見たってアメリカの田舎のお兄さんなんだが、BLACK FLAGやDEAD BOYSも真っ青になっちまうぐらいウルトラ・ハイテンションな演奏でパンク!なのだ。
このレコード、たぶん簡単に手に入ると思うからDMZとかREAL KIDSが好きな人、気になった人は、聴いてみて下さい。
知らないバンドを、聴くのは本当に面白いんだから。
なんか今回は、グレッグ・ショウの宣伝マンみたいになっちまった。
さあ今日は、今から「今池まつり」だ!
やってやる!
2001/9/24
#14 ”フリクションが出た”の巻
■フリクションのレック/photo
by 地引雄一
前回の続きになるんだけど私は、シングル盤が大好きである。
そのバンドが、3分以内でどれだけ表現できるかバンドも、賭けているなら、買う側も賭けているのであり、この緊張感がたまらない。
買った時には、ピン!ってこなくても2週間後に、”いかす”って思うこともたまにある。
まあ、ほとんどの場合、ダメなものいつまで経ってもダメなんだけどね。
先週、レコード店に行ったら”えっ!”って思うようなものが、いきなり並んでいた。
それは、溶接写真の青色のジャケットで白抜きで『フリクション』って書いてあるパス・レコードから出た、彼等のファーストシングルだ。
いままで、どうしても再発されなかった幻のシングル盤だ。
私は、1979年に出た時に、すぐに買ったがレコードの音が変わったのではないかと思うぐらい聴きまくった、愛聴盤のひとつだ。
まず、ジャケットが本当に格好良い。
17cmのレコードを入れるのに、20cmの大きさに出来ている。
このレコードを買うまで、そんなこと一度だって考えたことはなかった。
あくまで、ジャケットなんて、レコードを入れるためのものでありデザインされたパッケージという考えはなかった。
でも、本当に凄いのは、レコードそのもので鋼(はがね)のような、しなやかさと切れがある。
「クレージー・ドリーム」のイントロのギターの音、”うっ!”って言う呻き声、ここでこのレコードにぶちのめされ、一気に裏面最後の「BIG-S」まで聞いてしまう。
こういった音楽を、”鋼鉄重厚音楽”って云うんだと思う。
一体どれだけのマジックがここに詰め込まれているのか、聴く度に思う。
多分、ビートルズマニアの人が同じものばかり何回も何回も聴くのと同じ感覚だ。
ある時は、ベースのリアルさに驚きある時は、ベースのうねり方に驚くといった具合だし、ボーカルの間の取り方、節の回し方、言葉の使い方に、聴く度に発見があるし、ドラム、ギターにしても同じように毎回、毎回、驚きがある。
自主製作独特の”におい”があるからこそ、そんな楽しみができるのかも知れない。
今回、CDにもなったんだけど、なんか、少し音が違うような気がする。
どんなものでも、CDになると音が違うからあまり気にする必要はないと思う。
そんなことより、これを手に入れて、聴いてちょうだい。
本当に、凄いんだから。
2001/10/10
#15 ”たまには勉強”の巻
■パンクロックのレコード(フジヤマの渡辺所蔵)
このコラム、徹底的にロックの話とかパンクの話しかしないようにしている。
だって誰も、私の仕事の話とか知りたくないし、私もそんなこと書きたくもない。
楽しいことを書いていかないと、そのうち嫌になるに決まっている。
今回は秋なので、単純に、読書の秋なのです。
やっぱりロックの本のことを書こうっと!
読んでくれている人のなかに、知っている人はいると思うけど私は、パンクロック気狂いです。
だから当然、タイトルだって「パンクでぶっとばせ」なわけ。
でも、パンクとパンクロックとは違うものなのでその辺はけっこう難しく考えていたりします。
僕にとって、パンクはいろんなところで、よく言っているように”自分自身であれ”・”自分でやってみる”という教科書に書いてあるようなこと、ばかりです。
だから、自分が面白そう、と思うことに興味の対象はあります。
逆に、アンチな場合もあったりもします。
私は、手に取るように解るぐらい単純な人間ですから、時々心配になって、やっぱり本を読んだりして、人はどう考えているのかを、時々確認したりします。
当然のことながら、パンクに関する本も沢山出ています。
残念ながら日本では、ほとんどがレコードガイドブックばかりで”このレコードは珍しいから、羨ましいだろう”的なのが多くて考え方に付いて書かれた本はあまり出ていません。とは云っても、パンクの教科書の中の教科書は出ています。
ジョン・サベージが書いた、『イングランズ・ドリーミン』がその本です。
訳したのが水上はるこさんなので、パンクの背景をよく分かっているぶん英語版よりも日本語版のほうが、分りやすいぐらい、素晴しい本です。
まあ、英語版のほうがいいところは、写真がきれいなぐらいなところかな。
何が凄いってこの本は、パンクにどうしてなって行ったのか、みんなどんなことを考えていたのか、どのようにして崩壊して行ったのか総てが、書かれている。
何しろ、600ページもある本なので一気に読まないと、とても読み切れないんだけどそれをさせる、魅力がつまっている。
もし興味を持った人は、是非読んで下さい。
私の住んでいる豊田市の図書館にはこの本がありましたから、借りて読むこともできるのかも知れません。
ほかにも、結構あってニューヨークパンクものでは『ルーツ・オブ・NYパンク』(原題:FROM VELVETS TO THE VOIDOIDDS)て云うのが出ています。
もっとも、こういった本を読むのは、音を知っていてこそ面白いのであって、そこが基本なのは忘れないでほしいところ。
いくら、本の内容を知っていても、音を知らないのでは、話になりません。
例えば、美味しい店の名前を知っていても、食べたことがなければ、どんな味なのか人に伝えられません、まして、それが自分の嗜好にあっているのかどうなのか(ここがポイント)いくら人が良いと云っていても、自分にあわないものは、ダメなんだから!
ほかにもいっぱいあるけど、洋書しか持ってないので、それは次の機会にしようっと。
じゃあね。
2001/10/14
#16 ”ロックの幻想”の巻
■原爆のエディを描く
画/渡辺(フジヤマ)
先日、NHKで「若い広場」の再放送があった。
放送されたのは郡山ワンステップ・フェスティバル。
もうずーっと昔のことだけど、見たことは憶えていたし、その時「外道はやっぱり格好良いなあ」と思ったことも憶えている。でも、番組の内容は全く憶えていなかった。
「若い広場」がテレビで「若いこだま」がラジオでやっていたなんていう、どうでもいいようなことは良く憶えている。
この番組を見て、20数年前と現在で、状況は全く変わっていないことを痛感した。
当時は、”大人は判っていないなあ”なんて気楽な事を思っていたのだけど、自分がいざ、当時批判の対象としていた世代になってみると、正直、同じような事をしているのではないかと思えてしまった。
そう、「ロックを目的としている人」と「ロックを手段としている人」の違いが、相変わらず在って、その溝は全く埋まっていないことが良く判る。それは、GANG OF FOURのジャケットに書かれていた、ネイティブ・アメリカンとカウボーイの関係と同じだ。一方は、素直に喜び、片方は、搾取してやろうと考えている、っていう構図のままだっていうこと。
かつて、”ロックで何が出来るのか?”なんていう論争がよくあったのだけど、結局、なんにも出来ないことはみんな知っている。それなのに、相変わらず、地域振興のためにロックコンサートを開くことが在るし、そういった催し物は、金になるから出演するバンドはいる。
そして、結果何も変わらないのである。
パンクの思想として、いつも言っている 『自分自身でやれ』 がある。これを忘れてしまったら、また、同じように罠にはまっていくだけだ。もっともっといっぱい書きたいけど、なんか面倒になってきた。続きは、別の機会にしましょう。
じゃあね。
2001/11/11
#17 ”たまには勉強 パート2”の巻
■ドクター・フィールグッドのレコード達
前は、パンクロックの勉強をしたんだけど、今度は『パブ・ロック』の勉強をしちゃおう。
今回のテキストは、豊田市図書館で借りてきた『パブ・ロック革命』っていう、そのものズバリの本だ。書いたのは元カーサル・フライヤーズ〜レコーズのドラマー、ウィル・バーチ。
正直なところ、これもまた分厚い本なんだけど、結構面白く読める。
まあ、僕のように40才を過ぎたような人間は、76年のパンク・エクスプロージョン以前にロックを聴いていたから、冒頭に書いてある、ロックファンの音楽的な嗜好の変遷は、自分自身とラップするから、”そうだよなあ、ポップスからハードロック・プログレになって、パンクの前に、この音楽を聴いていたよなあ”って云う感じだ。
この2〜3年の間に、日本でもジー・ミッシェル・ガン・エレファントの影響もあり、かつては200円ぐらいで簡単に買うことので来た、このジャンルのレコードも、B級パンクと同じように、マニアが登場という、ある意味、嬉しいような状況になっている。
でも、パプ・ロックと云ったって、全部ドクター・フィールグッドやパイレーツみたいな切れの良いハードなR&Bぽい音楽ではないので、ジャンルとしては結構曖昧で面白い。
ココモやビザンチウムみたいなファンキー・ロックもあれば、ブリンズレー・シュワルツやチャーリー・アンド・ザ・ワイドボーイズのようなアメリカンロックテイスト溢れるバンドだってある。
この本が面白いのは、パンク・ロックが登場することが出来た背景を読み取ることが出来るところだろう。
音楽業界に関係の無い、街の男たちが酒場でやるロックが、現在まで続くロックの基礎を作り上げていったところに面白さがある。もちろん、仕掛人には、業界に太いパイプのある人間がいたりするが、それよりも、自分達で何をやればいいのかを見極め、すすめていくところに、この本の面白さがある。
僕のような、単純なパブ・ロックファンとしては、ブリンズレー・シュワルツについては、バンドの裏話もしっかりリサーチされているので、”そうだったんだ”って思うところもいっぱいある。とくに、中期から後期にかけては、アルバムを聴く楽しみも倍増っていところだ。
また、エッグス・オーバー・イージーの活躍がパプ・ロックシーンを作り上げていったところなんかは、やっぱり、分かっているようで解らなかったところだったので、本当に勉強になった。
今回この本を読みながら、そこに登場するバンドのレコードを続けて聴いていくと、今まで見えてこなかったパンク〜ニュー・ウエイブにつながる流れが簡単に分かってしまった。
やっぱり、どうしてパブ・ロックが面白いのかといえば、それは、毎回のように、と云うより、くどいくらい書いている『DO IT YOURSELF』の精神って云うことだ。
やっぱり、ロックの基本は”てめえで、やっちまえ!”だ。
じゃあね、また。
2001/11/20
#18 ”大変です”の巻
■the原爆オナニーズのシゲキ(G)
突然ですが、うちのバンド、大変なことになりました。
ギターのシゲキが来年1月より海外(オーストラリア)に転勤することになりました。
来年は、エディが原爆に入って20年なのでいろいろイベントをやろうと考えていただけにショックが大きいです。
とりあえず、12月いっぱいは、居るのでライブをやっていくんですが12月31日のラママが最後になりそうです。
2001/12/8
(C) タイロウ@the原爆オナニーズ