第250回
パンクを知った” の巻


パンクを知ったのは、1976年の初夏だった。

NHKのラジオ番組「若いこだま」の土曜日。
大貫憲章さんの番組だ。

先ずは知ったのは、

The Modern Lovers / She Cracked
Flamin’ Groovies / Let The Boy Rock’n’Roll
Eddie And The Hot Rods / Gloria

それに Ramones といった曲だ。

この年の秋には、The Damned も Sex Pistols も聴いていた。
ここから、一気にパンクに夢中になっていく。

でも、その前に知っていたのが、Patti Smith だ。

最初に彼女の声を聞いたのは、1975年の春に買った Blue Oyster Cult のライブ盤 『On Your Feet Or On Your Knees (邦題:地獄の咆哮)』 最後の曲のイントロだ。

” Wow Wow Wow Wow Wow Wow Wow Woooow ,
On Your Feet Or On Your Knees , 
Here they are ,the amazing Blue Oyster Cult ”

っていう叫び。

日本盤の解説で、岡田英明さんが

 ”そう叫ぶ女の声。
彼女はきっとパティ・スミスだ。
ブルー・オイスター・カルトに詩を提供し、自らもレコードを出し、詩人としてステージに立ち、現在のニューヨーク・シーンで素晴らしい評価を受けているパティ・スミスにちがいない。”

と詳しく書いている。

勿論、Them の 「Gloria」 のカバーで始まる彼女のファーストアルバム 『Horses』 は、”ニューヨークのアンダーグラウンド・ロック” として、一年くらい後にパンクという言葉を知る直前に聞いた。

このアルバムB面の 「Break It Up」 で、奇妙なギターを奏でる Television の Tom Verline を知った。

このような知り方をしたパティ・スミス。

どうしてもパンクという範疇に入ってこなかったのだが、ある日シングル盤を手に入れて、そこで評価が一気に変わった。



このシングルは 「Hey Joe / Piss Factory」 だ。

言うまでもなく、彼女が1974年に自主制作で出した最初のシングル盤。

もっとも手に入れたのは、Sireが再発したシングル盤なんだけど、ジャケットが格好良くて、この時点でノックアウト。

とくにA面の 「Hey Joe」 はジミ・ヘンドリックスの曲としてしっかり頭に入っていたので、初めてパティ・スミスのヴァージョンを聞いたときは、あまりに違うので固まってしまった。

あの印象的なギターのイントロではなく、いきなりハニーのギターでマゾヒスティックにさせてとか、パティ・ハーストがどうしたとか(この当時は、今よりももっと英語が分からなかった)、詩の朗読で始まる。

そして曲は、Richard Sohl の落ち着いたピアノと Lenny Kaye のリズムを刻むギターが入ってきて、パティの声に続き、Tom Verline がとてつもなくカッコいいギターを被せてくる。
これか!マゾヒスティックなギターとは、と思わずにいられない。

この波打つような混沌とした音の組み立てを聞いて、初めてニューヨークのパンクが分かったような気がした。

B面の 「Piss Factory」 もパティがマシンガンのように言葉をぶつけてくる。
いい意味で、Lenny Kayeのブルースを基本にしたギターも出口のない都会的な雰囲気になっている。
しかし、そのフレーズはロンドンのレンガ横丁ではなく、コンクリートの高層ビルに囲まれた感じだ。

このシングルで、パンクの真髄がわかったような気持ちがしたのだが、それは Tom Verline のギターだったりするから、複雑な気持ちだ。

とは言うものの、やっぱりこの出会いがなければ未だに ”モヤモヤ” した気持ちがあるに違いないだろうから、この出会いは必然だったんだろうな。

2018/10/11

原爆のライブ予定

来年2月は、ダブル還暦スペシャル!

12月1日(土)大阪 十三ファンダンゴ
REAL BEAT GIG vol,121
共:THE BALLAD 、ぼくたちのいるところ 、Good Morning、Toy’s Army
夕景の彼方、関西軽音楽倶楽部オーケストラ
開場 17:00 /開演17:30
前売り 2,500円 当日3,000円(別途ドリンク代) 
■問合せ:十三ファンダンゴ


1月13日(日)東京 秋葉原 CLUB GOODMAN
無機質な狂気第8夜
共:FORWARD
ENDON
ナカムラルビイ(DJ)
PA 奥成一志

開場17:30 開演18:00
前売り 2,500円 当日3,000円(別途ドリンク代) 

GOODMAN店頭販売は15時から
(整理番号付き)

メール予約はこちら↓↓
http://www.clubgoodman.com/blog/?p=15863
■問合せ:グッドマン 03-3862-9010



2月10日(日) 名古屋 クラブ・クアトロ
お年玉GIG 2019 TAYLOW&EDDIE ダブル還暦スペシャル
共:The Birthday、BAREBONES、SLIP HEAD BUTT、  
開場15:30 開演 16:30
前売り4,000円 /当日 4,500円(税込/スタンディング/ドリンク別)
*入場時ドリンク代別途 600円が必要です。
■問合せ:名古屋クラブクアトロ 052-264-8211
http://www.club-quattro.com/