第252回
”パンクの入り口” の巻
パンクを知ったきっかけ、パンクになったキッカケは、人それぞれだと思う。
同じ動機だったら、それこそ気持ち悪い。
私がパンクになったのは、1976年。
今から42年も前のこと。
最初はロックの一部としてパンクを知ったのだが、その姿勢に圧倒された。
最初の頃に入ってきたパンクの情報は、“人と同じファッションをしない”だった。
”革ジャンを着ていて他に同じものを着ている人がいたら、その場で破り棄てる”というような文章を読んで過激なスタイルに驚いた。
次にTシャツは、ハサミで切り刻んで着る。
正直、なんでそんなことをしないといけないんだろう?とも思った。
何しろ、他人と同じようなファッションをすることが当たり前だっただけに、自分の頭の中に無いようなことばかり。
ロック音楽としては、RICHARD HELLの「BLANK GENERATION」は衝撃的だった。
なんたって、”空白の世代”だから。
多くの人は、Sireからリリースされたアルバム・バージョンで初めて聴いていると思うけど、
私は、偶然にも、OAKのシングル・バージョンを最初に聞いたから、衝撃の度合いが全く違った。
ザラザラして乾ききったギターの音。
ぶつぶつに切れたようなベースの音。
スカスカで、全く跳ねないビート。
カエルのつぶれたような声。
正直、上手い下手の世界で言えば下手の極致のような音に、それまで聞いていた全てのロックを否定されたような気持ちがした。
隙間だらけで全くノリのない、ぶっきらぼうな音にテクニック至上だった当時のロックには無い魅力を感じ取ったわけだ。
“I belong to the generation, but I can take it or leave it each time”
この空白のところ、なんて言ったらいいのかなあ、ただひたすら落ちていくような空間とボーカルの声に心を奪われた。
出会いとタイミングは大切だ。
もし、このバージョンの「BLANK GENERATION」を聞いていなければ、パンクにノックアウトされなかっただろうから。
ほかにノックアウトされたのは、言うまでもなくSex Pistols「Anarchy In The UK」(最初に聴いたのは、Spunkのバージョン)とThe Damned「Help」だ。
今考えると、この曲「BLANK GENERATION」との出会いは Sex Pistols から PiL への変化を始め、ポスト・パンクを受け入れる土壌を作ってくれたと思う。
形にハマったロック音楽では無い、”発想”こそがロックの原点という、もう一つのロックのあり方を教えてくれたから。
だからこそ、今でも新しいバンドとの出会いは楽しいし、次々と出てくる新しい発想との出会いにワクワクしている。
2018/12/6
原爆のライブ予定
来年2月は、ダブル還暦スペシャル!
1月13日(日)東京 秋葉原 CLUB GOODMAN
『無機質な狂気第8夜』
共:FORWARD
ENDON
ナカムラルビイ(DJ)
PA 奥成一志
開場17:30 開演18:00
前売り 2,500円 当日3,000円(別途ドリンク代)
GOODMAN店頭販売は15時から
(整理番号付き)
メール予約はこちら↓↓
http://www.clubgoodman.com/blog/?p=15863
■問合せ:グッドマン 03-3862-9010
2月10日(日) 名古屋 クラブ・クアトロ
『お年玉GIG 2019 TAYLOW&EDDIE
ダブル還暦スペシャル』
共:The Birthday、BAREBONES、SLIP HEAD BUTT、
開場15:30 開演 16:30
前売り4,000円 /当日 4,500円(税込/スタンディング/ドリンク別)
*入場時ドリンク代別途 600円が必要です。
■問合せ:名古屋クラブクアトロ 052-264-8211
http://www.club-quattro.com/
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