第293回
”音が降ってくる日” の巻
新たに手に入れた音源を聴くとき、ものすごく期待して聴く時もあれば、よかったら良いなあくらいの軽い気持ちで聴く時もある。
VENOMOUS CONCEPTの5枚目のアルバム 『THE GOOD SHIP LOLLIPOP』 を聴く前のイメージは後者だ。
ところが、聴き始めた途端にアタフタしてしまった。
”コイツは凄い!”
バンドの5枚目のアルバムっていうと、Led Zeppelinの 『Houses Of The
Holly』、Black Sabbath の『Sabbath Bloody Sabbath』、YES の 『Close To The Edge』
と傑作アルバムがある。 いや、引き合いに出すのはおかしいなと思いつつ、これらのアルバムを初めて聴いた時の感覚をついつい思い出してしまった。
VENOMOUS CONCEPT って知らない人も多いと思うけど、バンドはメンバーにナパーム・ デス の SHANE(B)
とブルータル・トゥルースの KEVIN(Vo) を中心に2003年にスタートしている。
当初は、メルヴィンズの BUZZ
がギターで参加していて、ある意味でハードコア・パンク界のスーパー・グループとして話題になった。 現在BUZZは抜けて、ギターはナパーム・デスの
JOHN COOKE に。 ドラムスはキャンサーの CARL STOKES の4人組になっている。
ぶっちゃけた話、バンド結成当初のアルバムは聴いていたけど、3枚目以降は聴いていない。 10年以上のブランクの後、久しぶりにこのバンドを聴いた。
だから、全く別のバンドとして接したと言うのが適切なところだ。
オープニングの 「Good Shop Lollipop」
は、重心の低さがどことなく Numetal な感じがして、”こんなバンドだったか?”って頭の中が混乱。
2曲目「Timeline」から3曲目「Slack Jaw」になる頃には、”今のロックじゃん” と頭が整理できるようになる。
ここからは、一気にアルバム最後まで違和感なく聴き進む。
KEVIN
のヴォーカルが今までの印象とは違い、歌っているから聴いていて思い出したバンドやアルバムがたくさんある。
一番最初に思ったのが、適度なポップさとヘヴィーな感覚を完成させた Torche の 『Harmonicraft』。 次は、やっぱりPoison
Ideaの『Feel the Darkness』になる。 他にも、TAD の「8 Way Santa 」、Prong の
「Cleansing」、Quicksand の 『Slip』 あたりが次々出てくる。
何も知らずに、5曲目の 「Clinical」
がライブ会場で流れていたら、”Glassjaw か Thrice の曲?” って思うだろうし、6曲目の 「Fractured」
がラジオで流れてきたら、”Jimmy Eat World を思わせる、格好良いポップな曲”と素直に思うだろう。
アルバム最後の曲
「Life’s Winter」 で ”Let’s seize the moment the future in not yet born” (
その瞬間をつかめ、まだ生まれていない未来の) と訴えるように、 2020年の初頭から世界中を襲った
COVIDパンデミックの最中、創作意欲を掻き立てるようにして作られたアルバムだからこそ、ポジティブな意志を受け取ることができる。
それにしても、このメンバーが、ここまで前向きなメッセージを発すると、生きている喜びを共感せずにはいられない。
じゃあね。
2023/2/26
ライブ予定
”お年玉GIG
2023” 皆さんに祝っていただき、ありがとうございました。
次は、”七夕の夜”です。
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”JUST ANOTHER” DVD (\4800+税) 発売中。
●フジヤマ特典
メンバー直筆サイン入りの映画上映告知チラシと
ステッカー差上げております。
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https://genbaku-film.com/
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