第295回 ”なんかおかしい” の巻
ロックバンドって、いつまでも続くものだとローリング・ストーンズのライブ映像を観ていると思い込んでしまう。
キッスだってやっている。アリス・クーパーも。
なんか、おかしいな。 ”30歳を超えた奴らは信じるな”
が、ロックのイデオロギーだったのに、今やもうすぐ80歳の連中のライブを楽しみにしている。
フランク・シナトラのディナー・ショウのような超高額のチケットを、いとも容易く購入できる富裕層が、ロックファンの実情。
新譜を楽しみにしているのではなく、復刻された旧譜を買い求める。 ”なんとか記念ボックス” が、毎月のようにリリースされる。
50年も前のアルバムが、最新リマスターの名目で、アナログ盤で再発される。
ロック雑誌は、少なくなっているが、毎月特集されるのはパンク以前のもの。 グランジも、ポスト・ハードコアも、マス・ロックも無視だ。
パンク以降って、無かったことにされている。
ロックは、1976年以前のものしかないのか?
やっぱり、なんかおかしい。
ジョニー・ロットンのように ”ロックは死んだ” というべきか。
うん、パンク世代としては、ものすごく納得できる。
じゃあ ”パンクは死んだ” も成り立つのか。
なんとなく、違う気がする。
パンクは、自分のやりたいことを実現する手段だから。 ”自分”がどっしりとあれば、パンクは成り立つ。
そう考えると、やりたいことの無くなったパンクって成立しないな。 惰性でパンクって名乗るんじゃないよ、と強く思う次第。
このようなことを考えていたら、 1992年10月号の「レコード・コレクターズ」、小野島大の記事 ”パンクは死んだのか”
で、正鵠を射た文章があった。
以下転用すると、 - - - - - - - - - - - - - - -
”つまりロックなりパンクなりは形式じゃなく、その精神性なり思想性が問われる音楽なのだ。
ある種のカントリーや演歌のように、一定のパターンさえなぞっていればパンクとなるわけではない。
だから現象としてのパンクが終わろうが、なんの関係もないのだ。
問題は受け手であるおれたちがパンクをいかに受け止めるか、その精神をいかに保ち、生かし続けるかなのだ。
「言いたいことを言え、やりたいことをやれ」「追従するな、自分自身であれ」と。”
”パンクは音楽でないとおれは言った。
ロックの精神の純化されたものがパンクだとも言った。 では、ロックは音楽ではないのか。
そうだ。
ロックとはおれだ。おれこそがパンクだ。 そう言わしめるものこそがロックであり、パンクなのだと思う。”
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パンク直撃の同世代だけに、パンクの真髄をしっかりわかりやすく表現している。
なにしろ、パンクで価値観が変わった世代ならでは。
これからも、大きく時代が変わると思うが、足元だけはしっかりしておこう。
2023/5/19
ライブ予定
7月9日(日)名古屋 トクゾー 『復活 七夕の夜』 出演:the原爆オナニーズ Danse
Macabre 開場 16:30 /開演 17:00
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”JUST ANOTHER” DVD (\4800+税) 発売中。
●フジヤマ特典
メンバー直筆サイン入りの映画上映告知チラシと
ステッカー差上げております。
●公式ホームページ
https://genbaku-film.com/
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