第309回

”IDLESをイギリスで観てきた”の巻


7月中旬から8月上旬まで、久しぶりにイギリスに行ってきた。
Covid19の影響で海外旅行を自粛していたので、実に6年ぶり。

目的は、イギリス国内でIDLESのライブを観ること。

今年の頭から、ずーっと毎日のようにIDLESのライブ情報とにらめっこしていた。
7月の中旬に、カーディフ・キャッスルやマーゲイトでライブがあるから、そこを狙い目にしたんだけど、その時期にイギリスに行っても他にめぼしいライブがない。

ちょっと残念なイギリス旅行になりそうだなあと思っていたところ、単独じゃなくてフェスティバルも含めて考えてみようとしたら、シェフィールドで観たいバンドがたくさん出る ”Trimlines” を発見。

同時期に同じようなメンツで行われるオックスフォード郊外で行われる”TRUCK FESTIVAL”も発見。
メンツを見比べると、シェフィールドの方がちょっとだけ良い。

この時点では、IDLESを単独で観てシェフィールドのフェスティバルに行く計画を立てていたが、旅行日程が延びすぎることがちょっとした問題。

もう少しコンパクトにできないかなあと考えていたところ、”TRUCK”が腰を抜かすような情報を出した。
通常金曜日から日曜日の3日間で行うフェスティバルに追加で木曜日開催。

しかもヘッドライナーはIDLES!!

IDLES単独ライブをやめ、”TRUCK”へ行くことに決定。
旅行日程が少しだけコンパクトになった。

フェスティバルに行くとなると、テントを張って連日シャワーという日々を考えるが、私は若くはないので近くに宿泊施設は無いかと地図を見て考えていたら、会場から徒歩30分くらいのところにホテルを発見。
これで宿泊問題もクリアー。

さあ、”TRUCK FESTIVAL”に突入だ。

会場には、Didcot Parkwayっていう駅から直行シャトルバスが出ている。
片道6ポンド(約1200円)だけど、週末乗り放題チケットは13ポンド。

予約したホテル近くでバスの乗降が出来ることを知り、ラッキーな気分。

Didcotと言われても、その場所がすぐにピンとくる人はいないと思う(私もそのひとり)。
電車でロンドンのパディントン駅からブリストル方向へ40分ほど。
レディングの次の駅だから、思いのほか便利。

IDLES目当ての木曜日だけの一日券は無いから、この日は3日間のチケットに追加料金を出して購入することになっている。
ということは、この日の入場者は、ほぼIDLES目当ての人たちだ。

フェスティバル初日に行くわけだから、会場入り口はテントや食料を持った若者が長蛇の列。
テロ対策もありセキュリティー・チェックが厳しく、入場ゲートを通り抜けるのになんと2時間近くかかった。

入場ゲートを抜けてからも、広大なキャンピングエリアを通るため、30分近く歩いてやっとフェスティバル会場に到着。

フェスティバル会場の入り口も、結構厳しいチェックのため列ができており、10分程度かかる。
会場内のつくり(レイアウト)は、巨大化する前(1990年代)のレディング・フェスティバルのような感じ。
10分程度歩けば、メインステージからテントステージに渡り歩くことができる。

ここで一息ついて、食事をとる。
今までイギリスでフェスティバルに行くと、プラスティック・ゴミがもの凄い量だったが、今回、容器は紙製でスプーンやナイフ・フォークは木製になっている(どこで食事しても同じ)。
ゴミ箱の数も多く、全体的に清潔(これは、4日間通っての感想)。
もうひとつ驚いたのが、会場内でのペットボトル利用者が少ないこと。
90年代のレディング・フェスティバルは一日が終わると、足元には踏み潰したペットボトルだらけだったが、今回はペットボトルが足元に無い。
それどころか、多くの来場者がマイボトルを持って水汲み場を利用している(これは、ロンドンを歩いている時も、多くの人がボトルを持ち歩いていて、水汲みの場所を利用していたから、今年の流行りなのかもしれない)。
Covid対策なのか、手洗いも今まで以上にしっかりしていたように思う。

この時点で、18時くらい。
メインステージに向かうとDitzが始まる。

どのようなバンドなのか全く知らずに観ていると、音はノイズ系ポスト・パンクの5人組だ。
ミニのワンピースを着たヴォーカル(男性)が派手に動き回るので、あっけに取られる間に、約30分のライブが終わってしまった(後で調べたら、ブライトンのバンドだった)。

霧雨が強くなってきたため、テントステージに逃げ込むと、ほとんどの人が同じような行動のため満員状態。
その場で、Good Health Good Wealthを見て、テントの外に出ると、いわゆる”シャワー”状態が弱くなった。
メインに戻る人の波に乗って、リバプールの4人組The Mysterinesの開始を待つ。
事前にBBCで聴いた時に、勝手に”インディぽいなあ”と思っていたので、登場した時のロックなたたずまいに拍子抜けするが、出てくる音は、タイトで格好良かった。
20時過ぎにThe Mysterinesは終了。

ここから、ステージ前の最前列に突入。
真ん中はモッシュピット化して、おしくらまんじゅうでひどい目にあうから、ステージ左側を陣取る。

周りもIDLESファンでいっぱい。

”IDLES好きなの?”と話しかけてきた女性は、友達5名とグループで”わくわくしている”って盛り上がっている。
その中のひとりは日本の近江八幡にいたことがあると話題を広げてくる。
みんなで、たわいもない話をしていると、IDLESがスタートする21時に近くなっている。
シャワーが完全にあがり、夕日がステージを照らしている。

まずドラマーが登場し、ドラムを叩き出す。
ギターの二人とベースに続きヴォーカルがステージに登場。
5枚目のアルバム『TANGK』から「IDEA 01」でスタート。

今まで、日本で2回観ているけど、メンバーから出ている雰囲気が違う。
客席をあおる、パワー全開のホーム感が凄まじい。

昨年、FUJI ROCK FESTIVALで観た時よりも、表情に余裕があり、かろやかな動きをしている。
知らぬ間に、バリトンサックス奏者がステージ上に現れていた。

続く「Colossus」では、ヴォーカルのJoe Talbotが  ”パレスチナに自由を!” と叫び向かって右側のギタリスト Lee Kierman がモッシュ・ピットにギターを持ったまま、お決まりのダイブ。

この辺りから、観ている私は興奮状態。

周りのみんなは、モッシュピットに行ったり来たりして大忙し。

「Gift Horse」、「Mr.Motivator」と大合唱が桁違い。
ステージ上では、フロントの3人(ギター二人とヴォーカル)が動き回っている。

続く「Mother」では待ち構えたかのように周り全員が ”Mother Fucker”と叫びあう。

曲間に“俺たち左寄りが待ちに待った労働党政権を応援しよう”とか、政治的なコメントを次々と発するあたりには、イギリスのパンクバンドの矜持を感じ取ることができる。

「Car Crash」の次「I’m Scum」では ”(みんな)しゃがんで”と言い、”新しい国歌は”の次に ” FUCK THE KING”の大合唱。

モッシュピットを眺めながら夕日がきれいだなあと思っていたら、ヴォーカルのJoeが”美しいブリテッシュの夕日をめでよう”って言うから、周りのみんな大騒ぎ!

セットリストがどうのこうのというのはヤボな気分になってくる
というよりもほとんど覚えていなくて、インターネットで調べて書いているような状態。
しかも、海外でライブを観ると、映像がインターネットに上がってくるので、それをみて追体験している。
覚えているのは、曲間のコメントばかりというのが、正直なところ。

「The Wheel」、「Gratitude」、「When The Lights Come On」とステージを観ていると、周りが次第に暗くなっている。
「Benzocaine」でギターの二人がモッシュピットに突入。
ヴォーカルのJoeはスタッフを肩車して、ステージ上でピットを煽る。

フレンドリーな雰囲気がとても楽しい。

「Pop Pop Pop」、「Never Fight A Man With A Perm」、「Dancer」の次は、”Fuck Farage”コールの後に「Danny Nedelko」だ。
みんな大合唱とモッシュで忙しい。
最後の曲はお決まりの「Rottweiler」。
ノイズの嵐が止まると約70分のライブは終了。

念願のIDLESをイギリスで観ることができて満足していると、周りのみんなが、”楽しかったね”、”良かったね”と声をかけてくる。
”じゃあ、明日”とも。
そう、4日間のフェスティバルの初日が終わっただけなんだ。

明日からの3日が本番ということを忘れていた。

メインステージを後にして会場を10分以上かけて出る。
照明を頼りにキャンプサイトを通り抜け、30分かけて真っ暗になったタクシーピックアップポイントに辿り着く頃には、体が冷え切っていて、トレーナーとダウンジャケットを着込んだ。
イギリスは、夏でも夜になると寒いことを覚えていて良かった。

こんな感じで、久しぶりに渡英した。

物価は今までの1.5〜2倍になっている上に超円安で、金銭的にはきついものがあったが、6年分のいろいろな思いをぶつけることができて良かった。

現地現物はなんでも一緒だ。

2024/8/22


ライブの予定

8月24日(土)新宿 アンチノック
”MOUNTAIN HIGH”
 出演:Rocky & The Sweden
Assfort
    the原爆オナニーズ
開場 16:30 /開演 17:00
前売り 3,000円、当日3,500円(別途ドリンク代) 

9月15日(日) 豊田 橋の下世界音楽祭
【橋の下世界音楽祭】
"SOUL BEAT ASIA 2024"
@soul_beat_asia

Day3:9月15日 (日)
WINDY CITY(KR)
OBSG(オバンシングァ/KR)
サヨコオトナラ
GEZAN
GOFISH Band Set
亀島楽隊(TURTLE ISLAND)
the 原爆オナニーズ
切腹ピストルズ
ROOTSREDEEM (KR)
OKI REKPO (Dub Ainu Band / Marewrew)
DEEPCOUNT
タテタカコ
ROTARY BEGINNERS
EIEFITS
平針木遣音頭保存会
民謡一家(山形米沢)
江戸糸あやつり人形 上條充
HOU & marron trio
ALKASILKA
Les Khmers(クマイルス)
よなは民具
(与那国民具WS&与那国民謡ライブ)
烏賊様DUO(梅津和時/多田葉子)
バラズミ(バラッドショット/AZUMI)
南部式

...... ...... ...... ...... ......
○ イープラス販売ページ
https://eplus.jp/soulbeatasia/
○ イープラス購入者ガイド
https://eplus.jp/sf/guide/service

一般発売(前売り)
1日券各 ¥2,500
3日券¥6,000
※受付期間
7月25日(木) 12:00 〜

当日受付
1日券各 ¥3,500
3日券¥9,000
○高校生 3日通し ¥2,000 (要身分証明書/当日受付のみ)
○中学生以下・65歳以上 無料(要身分証明書/当日受付のみ)
※販売予定枚数に達した場合受付終了します。
その場合一般発売はありませんのでご了承ください。

9月16日(月・祝) 名古屋 今池まつり
「今池パルチザン ライブ」
 東南エリア
 出演:the原爆オナニーズ  (20:00〜)
    フラワーカンパニーズ(19:00〜)
    怒髪天       (18:00〜)
    バレーボールズ (17:00〜)

9月29日(日) 名古屋 クラブ・クアトロ
『Nagoya Club Quattro 35th Anniversary”rendezvous”』
出演:the原爆オナニーズ
   少年ナイフ
   画鋲(宮藤官九郎、三宅弘城、ヨーカイくん)
開場16:00 開演 17:00
前売り4,000円 (税込/スタンディング/ドリンク別)
*入場時ドリンク代別途 600円が必要。
問い合わせ 名古屋クラブクアトロ 052-264-8211 http://www.club-quattro.com/
10月13日(日)新宿 カッパンク
-COUNTRY OF THE PUNKS-
KAPPUNK2024
【暴力革命II】
【人命は地球より重い】
新宿LOFT & ACB & Nine Spices
Open 12:00
Start 12:30
End 21:10
予定
ーー
ADV
年間PASSPORT ONLY
¥4,000 (+drink fee)
(毎日最初の入場時にドリンク代かかります☆)
ーー
DOOR
年間PASSPORT ONLY
¥5,000(+drink fee)
(毎日最初の入場時にドリンク代かかります☆)
ーーーー
13日 日曜日 
出演(順不同)
Rebel Priest(Canada)
THE TRASH
GIGØLO13
MALiCE PANiC (名古屋)
TERROR SQUAD
CASBAH
XERO FICTION (名古屋)
BLACK AND WHITE
Contrast Attitude (三重)
PHYSIQUE (USA)
SCUMRAID (S.KOREA)
THE ANTIDOTE(大阪)
Limited Express(has gone?)
TOM AND BOOT BOYS
切腹ピストルズ
COFFINS
THE LET'S GO's
the 原爆オナニーズ(名古屋)
柳家睦 & THE RATBONES
COCOBAT
FINAL BOMBS
九狼吽(名古屋)
ゲンドウミサイル
SMASH YOUR FACE
NICKEY & THE WARRIORS
KANDARIVAS
THE SESELAGEES
BAYONETS(横浜)
BAD LAD ROLL
THE FOOLS
THE JOHNNY BOYS(旭川)
天獄
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3箇所 4ステージ
一日 32バンド
合計 96バンド
全バンド 演奏時間 40分 (セット込み60分)
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司会 乱 / 剣暴 / ワタル(iRock) / HORI-CHO(PIG'S TAIL) / 神誤 / WILL / MIKI / etc...
DJ LOODS (THE SWANKYS) / チヒロン様 / WILL / ブル新中野 / ワタル / etc...
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1,000円=3カッパコイン=3ドリンク
出入り自由
ドリンク持ち込み国外追放!
カッパンク☆特製DVDなど入場者特典付き!!
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10月27日(日)名古屋 アップセット
“ROCK the ROCK!!”
出演:the原爆オナニーズ
    勝手にしやがれ
開場 16:30 /開演 17:00
前売り 4,000円、当日4,500円(別途ドリンク代) 


11月16日(土)新大久保 アースダム
BAREBONES 30th Anniversary
“Better BAREBONES Than Dead”

BAREBONES
The 原爆オナニーズ
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV 3,000yen / DOOR 3,500yen
◆チケット発売は5月11日AM10:00〜
【チケット:イープラス】

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”JUST ANOTHER” DVD (\4800+税) 発売中。

●フジヤマ特典
メンバー直筆サイン入りの映画上映告知チラシと
ステッカー差上げております。

●公式ホームページ   https://genbaku-film.com/