第311回

わたしたち の巻


パンクなのである。

フジヤマ店頭で毎週のようにライブを行っている佐藤幸雄。
ソロでもユニットでも、その場を活かして演奏をする。

パンクの本質は”自分自身でやること”だ。

やりたい気持ちがあれば、自分で考えて自分の手で自分のやり方をする。
”こうあるべき”ではなく、柔軟な発想こそ、そこに求められるものだ。

人間は歳をとってくると、今までの成功体験から、”できない理由” を求めてしまう。
”これだったらできるよ”と、前提条件を次々と出してくるもんだ。
そして、”やっぱり無理だよ”となる。

「佐藤幸雄とわたしたち」は、今回の作品でメンバーが変わった。
普通こうなると、”無理だよ” の理由探しに出るもんだが、パンクな佐藤幸雄は、前進する。
なにしろエレキギターを持った武者なのだ。

自由に舞い、飛び跳ねる。
”うたもの” の場合、決まった歌詞を決まったように歌わないといけないように思いがちだが、
都度、自分の思いに素直に歌詞を変えても良いじゃないかと発想を転換している。

今回の『わたしたち 3』は、録音時のむき出しの魂がダイレクトに伝わってくる。

聴いていると、心を揺さぶられる。
それは、それまで聞いていた音楽にない何かを感じた、パンクを初めて聴いた半世紀近く前のあの感覚だ。

あたまのなかを掻きむしるような、得体の知れない不快さと快感が行き交う。
音的には、ポスト・ハードコアの、歪んで軋んだイライラした感性が突き刺してくる。

1曲目の「ポップ・ミュージック」、7曲目の「ゆっくりミンチ」の痙攣した表現は、今の時代そのものだ。
2曲目の「ティラノ」、4曲目の「GoGoGo/NoNoNo」のような、心安らぐポップさも忘れていない。

このアルバムは、2023年の夏に録音されて、2023年末にリリースされている。
ちょうど、Covid19の嵐が過ぎ去ってしまったように扱われ、世界中で紛争が起こっている時だ。
意匠(ジャケットデザイン)も、作り手の意図が伝わるよう、手作りだ。

できない理由は、そこにはない!

自由に。
闊達に。
寛容に。

当たり前のことを、この作品は教えてくれる。

じゃあね。

2024/11/7


ライブの予定

11月16日(土)新大久保 アースダム
BAREBONES 30th Anniversary
“Better BAREBONES Than Dead”
出演:
BAREBONES
the原爆オナニーズ

OPEN 18:00 / START 19:00
ADV 3,000yen / DOOR 3,500yen

11月23日(土)金沢 REDSUN
ENTER THE REDSUN Vol.11
出演:
the原爆オナニーズ
BAREBONES
GREENMACHiNE

開場 18:30 /開演 19:00
前売り 3,000円、当日3,500円(別途ドリンク代) 


2025年

2月09日(日) 名古屋 クラブ・クアトロ
お年玉GIG 2025
出演:
the原爆オナニーズ
おとぼけビーバー

開場 16:00 /開演 17:00
前売り 3,500円、当日4,000円(別途ドリンク代) 

■チケット販売スケジュール
・一般発売日:2024年11月9日(土)10:00〜

よろしくね。