第45回 ”あぶらだこ”の巻 最近の、再発ブームは凄いものがある。 正直なところ、踊らされているうちはとても楽しいのだが、限度をこえつつあるのも確かで、”もう、いいかげんにしてちょうだい”と、思うこともあるけど、それでも、また何か新しいものが出てくると、手を出してしまう自分が、なんか情けないなあと思いつつ、あれこれ、買ってしまうのであった。 英デッカから出た3枚組の「LEGEND OF A MIND」は、パンクになる前に聴き狂っていたブリティシュ・ロックを時間で追っていく内容になっており面白かった。なかでも3枚目を聴いていると、当時の自分が、どんな思いでこのようなロックを聴いていたのか、どうしてパンクが出てくるのか、思い出すことが出来たりするのだが、これがパンクとなると、気持ちは複雑だ。 一番たちが悪いのが、日本のパンク物で、自分も当事者だったため、正直、レコーディングされたものより、ライブのほうが良いバンドが圧倒的に多かったので、あまり、音源を所有していないことが判り、時々焦ってしまう。 そんな中でも、先日一緒にやった「あぶらだこ」は、ADKの頃から真面目に音源を購入している数少ないバンドの一つだ。 でもライブで一緒にやると、レコードにはない”音”が、耳に突然飛び込んできて、”はっ!”っとすることが何度もある。ライブと云う空間にしかそれはないから、現場に行かないと判りはしない。 バンドって云うのは、そこがマジックとして存在している。レコーディングしたものを、単純再生しか出来ないバンドはしらない間に消えているし、そうでないバンドは、残っている。 まだ、「あぶらだこ」は名古屋でライブをやったことがないので、近いうちに呼べたらいいなと思っている。
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