連載 #1



はじめまして。
主にCDジャケットのデザインをやっております、ユースケです。
ここでは、僕がたずさわってきたCDの紹介と、そこで出会った素晴らしい人たちとの出来事を書いていこうと思うので、よろしく。




ROVO/pico ! (CD)

僕のCDジャケットデザイン人生の中で欠かす事ができない重要バンドが、この「ROVO」です。

とてつもなくデカいテーマの踊れる曲を演奏する、ステキなバンドです。

このバンドのビジュアル面でのコンセプトを全面的に持っている人が、ROVOのギタリストでもあり、ボアダムズ、羅針盤 等でもお馴染みの山本精一さんです。

当時、初めていわゆるメジャ−からのリリース物のCDジャケットをデザインするとゆうことで、めちゃめちゃ緊張していました。しかも、まだ面識のない山本精一さんは、少し変わった人らしいし、ボアダムズのメンバーだし。コワイ。

大阪に住む山本さんと東京に住む僕とのやりとりは、主に電話でした。電話で話す山本さんは、けっこう無愛想(に感じた)で、平気でこんな事を言っちゃいます。

「あ〜ユースケくん、このロゴはパーッと光の色でお願いします。」

光の色?何色?困りました。

「あ〜ユースケくん、この人の写真、見えないぐらい小さくしてもらえる?」

なぜ?

しかも、CDの表ジャケット用に使ってくれと送られてきた写真に写っている二つの人影、この人達はROVOのメンバーではなく、全く別のバンドの誰かの、こともあろうに 密会中の写真らしい。
誰なの?

僕の中の小さな常識は、瞬時にコナゴナにクチャクチャにされました。

ROVOのCDジャケットをデザインするのには、いわゆる“トランスっぽい”とか“テクノっぽい”とかが、一切通用しないのでした。

後日、このミニアルバムも無事発売され、発売記念ライブがありました。

初めて山本精一さんと直接会って話ができると思い、楽屋に行き、レコ−ド会社の人に紹介されましたが、ライブ後の山本さんは疲れていたらしく、ほとんど話さず、まるで僕が見えないかのように、どこかえ行ってしまいました。

へこみました。

そのまた後日、明治大学の学園祭でもう一度、山本さんに会う機会がありました。
その時!山本精一さんは、僕の両手をしっかり掴んで「やっと会えましたね!ユースケくん !!」

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意味が分かりませんでした。

しかしこの瞬間、「また、この素敵な人たちと何かができればいいな〜」と心から思 いました。

こうしてできた“ROVO/Pico!”のジャケットを見て、友人が一言。

「NEU!(ドイツのバンド)のジャケットに似てる!」

ガーン!!!

2001/11/19


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