l i v e   m e m o l y   # 14    フィリップくん     ( C )   f u j i y a m a  2004/12/29

第14回  フィリップくん

90年代、インディーズという認知度も上がったあたりで出るべくして出たバンドにモダンチョキチョキズとボアダムスがある。
当時関西にあって両極の意味を持つバンド。
肌触りはえらく違うが、周りを取込んでゆくパワーは楽しかった。

ボアはご存知のようにワールドワイドを目指し、モダチョキはドメスティックなカルト歌謡バンドに広がりを見せていた。

関西のヘンを反映させるべく ヌルピョン 保山宗明王 ガンポンギー といったパフォーマーを加え、その可笑し度を増し、そしてフィリップ君もいた。

彼の登場は新鮮だった。

ロックイベントで曲を演奏するのではなく、「ダジャレ」をパンクロックのように連発するだけである!
もともとバンドマンだから彼にとってはダジャレも立派な曲なのだろう、非常に勇気のある打ち出しである。

フィリップ君のその立ち位置の面白さに感心したものである。
彼の存在を知り何度か私のイヴェントに出てもらい、なんとアンコールまでして笑った。勿論ダジャレのアンコール!
渋谷ラ・ママでの彼は素敵だった。

その後、モダチョキに参加してメジャーデビューを果たすのである。
凄い。


写真●1990年代初頭 「フジヤマ新奇劇」渋谷ラ・ママでのステージ      p h o t o   T A D A S H I   W A T A N A B E