live memoly #3

大岩弘幸さん(VID-SEX) 現 スリップヘッドバット

名古屋のオキシドールというパンクバンドをやってたグン(蓮尾君)と、銚子から上京したOGEY(大岩君)が東京で組んだストゥージズばりの、はちゃめちゃバンド、VID-SEX。
当時の日本のビート・パンクなどという、歌謡ポップなパンクなどと違ってスケールがでかかった。音が太くて、暴力的でさえあった、そしてヴォーカルの大岩は、どうしようもないイギー・ポップの再来に思えた。ありそうで、ない、本格的なハードパンクの出現に私は心が躍った。
ロックがロックらしく聴こンドともパンクバンドとも、どこか違う匂いをもった、こわもての異端だったのかも知れない。

だから、本物だったのだ。

じゃがたらスタジオで録ったアナログシングル1枚が、唯一の音源である。勿論私が出した。出す人がいないのに、私は腹が立ったけど、今でもVIDみたいな「暴力的なロック」をやるバンドは不遇をかこうのだ。
こんなんで、いいはずがない。

超ド級のB級バンドを忘れてはいけない。  text 渡辺正 2001/5/26
 
photo by 渡辺正 ( P ) 1986

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