自分BOX with ララボンゴ
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人というものは、プレッシャーがかかって切羽詰ると、とんでもない事を言ってしまうものである。
自分BOXと名乗る関西在住の女性マイコは、常にいっぱいいっぱい状態のまま生きてる切ない感性をこの作品に充満させている。 爆発のさせ方が自閉的で自分に全てが覆い被さってくるから、なんとも赤裸々であり素直過ぎて、その歌詞に笑ってしまっていいものか気を使うが、まず大笑いしてあげるのが聴くものの務めと言っておこう。 笑った後に、必ずズシンと心に引っ掛かるモノを残してしまうのである。それは彼女を笑うという事は、自分の中の”せつなさ”を笑う事という真理に気付くのである。 ◆ 肉食 (作詞 嶽本野ばら 唄 マイコ) ラフレシアの咲く森で 僕は君を見つけた また明日会えるのに さよならを言うと寂しくなった どうして人食い人種になんて生まれて来たのだろう 骨だけになった君は もうさよならさえ言ってはくれないよ 僕の中から君を出ていかすまいとおもい 君の頭蓋骨抱き締め どうして人食い人種になんて生まれて来たのだろう うんこになった君は 面影なくして蝿がたかり臭いよ どうして人食い人種になんて生まれて来たのだろう 愛が無くても生きていける ご飯を食べなきゃ死んでしまう ◆ 5曲目に収録されてる、彼女の友人という嶽本野ばら作詞の「肉食」という凄まじく切ない不条理なるがゆえの愛の歌を、彼女はヘタクソで訥々な唄で表現として出色。 文 渡辺正 2004/6/3 |