ラーメンの話

この話題はあちこちの原稿に書いたり、いろんな場所で喋っているのであるが、私はもう「ラーメン戦争に疲れた」のだ。

ノーモア・ラーメン戦争。反戦集会とかやるぞ、このやろ。
誰かと会う。食事をしたくなる。

すると、「ここに○○○ってラーメン屋があるんですよ。行ったことあります?」

「んー、ない」

「じゃあ行きましょう。雑誌にも紹介されているんですよ」

こんな調子でラーメン屋連れて行かれる。しかも大抵並ばされる。

最初の頃は好奇心から楽しんでいたが、もう最近はどうでもいい。
各ラーメン店が個性的なラーメンを作ろうと努力しすぎた挙句、バロック化したきらいがある。ラーメンの常識が四六時中覆されるのだ。それはもう「常識」として機能してない。

気のせいかもしれないけど、定食とか天津飯とかが出る「町のラーメン屋」って都市圏では凄く減った気がするんだが。マンガのなかのラーメン屋みたいな存在。出前してくれて。

食べる前に味が全然予想できないってのも疲れる要因だな。

そして何よりも困るのが知り合いなどに自信満々で連れて行かれた「美味しい店」があんまり美味しくなかったときだ。
「どう、美味しかったでしょ」みたいな顔するんだよ、向こうが。こっちはどうしていいかわかんない。
「あー、珍しい味だね」みたいなことをいって誤魔化す。

人間関係までも気まずくするラーメン戦争。

あのラーメンマニアとかいう人種はなんだ。たかが数百円の食い物食っているだけで偉そうにすんな。
とにかくラーメンは腹立たしい。食べ物としては嫌いではないが、ここ数年の加熱ぶりは異常だろう。

こんな話をあちこちで最近はしている。先日も、とある編集者の前でラーメン戦争に対していろいろ話した。すると相手は、「うん、お気持ちはわかります。もはやラーメンブームは末期症状でして…」
なるほどやっぱりそうか。
「都内では既に新しい波として「うどん戦争」が始まっていますね」

え?

飽食戦争の戦中派としていいたい。

「みんな生活習慣病で苦しみながら死ね。ばーか」

2003/11/13