渡辺正 連載コラム#37

フジヤマで売ってないレコードたち。


the jimi hendrix experience/erectric ladyland(ポリドール/LP)

マイルス・デイビスが「マイルス・イン・ザ・スカイ」あたりから変にエレクトリックになってきて、エレキギターを導入してきた。ジョージ・ベンソンに始まりジョン・マクラフリン、レジー・ルーカス。マイルス好きの私は少し抵抗があったが当時のムード音楽みたいなフュージョンと云われた、くだらないモノに辟易してたのでマイルスの「エレキな音楽」にも興味があった。

マイルスは「イン・ア・サイレント・ウエイ」「ビッチェズ・ブリュー」などで素敵にロックして見せたが、私にはどうしても気に入らない事、つまりギタリストが違うでしょ!と言いたかった。
マイルス一生の不覚、それは....................

ジミ・ヘンをギタリストとして呼べなかった事である。

「ビッチェズ・ブリュー」は確かにロックなアルバムだけど、しょせんマイルスジャズな人。この頃ジミヘンといえば、ソウルに傾いてたロックな人。大好きな2人にレコード共演してほしかった....というより、きっとジャズでもソウルでもロックでもない、新種の感動を得たはずだ。

ジミ・ヘンの「レディランド」のA面「ブードゥー・チャイル」は確かに凄い、凄すぎてめったに聴けない。聴くと必ずどこか遠くへ連れていかれてしまいそうになる。

2002/5/6


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