渡辺正 連載コラム #52 フジヤマで売ってないレコードたち。
アート・アンサンブル・オブ・シカゴが絶妙。 ブリジット・フォンテーヌの孤高の闘士ぶりを支えてあまりある、ジャズ作品として響く。 発売元の日本コロムビアは、シャンソンでは余りに語りきれないと考えたのか、日本盤では確か、間章さんがスリーブにレヴューしていたが、例によって難しい文章だったような記憶がある。ブリジット・フォンテーヌのクールでエキセントリックな、張り詰めた空気が充満してるから、勢い学術調になってて、それ読んでたら頭痛くなった思い出がある。 私は難しい事考えないタチなので、実にすんなり聴けた。 AAOCの演奏と彼女の異種交配に、ワクワクした。数あるAAOCの作品の中にあっても、この作品が一番好きだ。シャンソンとジャズの交配がスリリングというのではない。その先にもっこりと「新しいなにか」が生まれてきてしまった事への、驚きだ。 フォンテーヌにしても、AAOCにしても、アレスキにしても、彼らの他の作品と聞き比べてみるといい、ずっと聴き易いし、ドキドキする。 例えば、西脇君とポコペンの「さかな」。あれを小難しく聴いてはいけないように....,,.。 2002/12/11 |